散歩中に時々見かける二羽の水鳥は 野生の鴨ではなくアヒルだと言う事 どうやら川向の観光所で飼われているらしかった。
今日も川面を気持ち良さそうにすいすいと 二羽が仲良く並んで泳いでいるのを見つけた。 ひとに慣れているのだろうすぐ近くまでやって来る。
可愛らしいものだ。しばし川岸に腰をおろして おいでおいでと声をかけてみたりして呼んでみる。 とても澄ました顔をしているのがまた可愛いのだ。
どんな一日だったのだろう。このふたりにとって。 それは何事でもなくごく自然に暮れていくものか。
ゆったりと何も思い煩う事もないそんないちにちを思う。
今度は観光船が二隻やって来る。船外機の音があたりに響き 川面の静寂を破るようでいて。それも風情ある光景に思える。 観光客が一斉に同じ方向を見ながら手を振っているのが見えた。
まさか私とあんずではない。もしそうなら私も手を振るだろう。 照れくさいけれどそういうのが好きだった。あれは嬉しいものだ。
はて?とその方向を見ると。なんとお大師堂に居るお遍路さんが。 千切れんばかりに手を振っている姿が見えた。白装束の若者だった。 なんと微笑ましい光景だろう。心に花が咲いたように嬉しくなった。
いい日だったねとあんずに語りかけながら野バラの道をてくてく帰る。
|