| 2009年02月05日(木) |
『猫やしき』を見つけた日 |
三月中旬なみに気温があがり。すっかり春の陽気となった。
暖かでやわらかな陽射しがありがたくてならず。むくむく。 からだじゅうから芽が出てくるような感覚を味わった一日。
木の芽起こしというけれど。わたしもそんなふうでありたい。 いつか咲こうなどと思わず。緑になれるかもしれないいつか。
そんな陽気に誘われるように。今日は少し外回りの仕事をする。 一軒の農家を訪ねたけれどお留守で。どこか畑に居るのかもと。 山里の細道をうろうろと進んでいたところ。お〜いっと呼ぶ声。
すぐご近所のお宅の縁側にその方が居た。日向ぼっこをしながら。 話し込んでいたらしい。諦めて帰ろうと思っていた頃でほっとする。
そのお宅の庭先で用事を済ませる事が出来たのだけれど。ここって。 初めて来た場所なのに見覚えがある。確か・・そうだあの写真の家。
去年のこと友人に見せてもらった写真を思い出す。大きな柿の木と。 たくさんの猫がいて。友人は『猫やしき』だよって言っていたのだ。
ながいこと山里に通いながら。私はその『猫やしき』なるものを知らず。 町に住む友人はとても好きな場所なんだと言って目を輝かせていたっけ。
やっと見つけたよ。すごく嬉しくなってすぐに電話しようかなと思った。 暮に入院していて今は自宅療養している彼女の喜ぶ声が聞きたくなった。 ああ・・でも夜にしよう。仕事中でもありそのまま職場へ帰ることにする。
早目に帰宅していつものお散歩。ずいぶんと日がながくなり夕陽はまだ。 紅く染まらずにいてただただ眩しく輝いているばかり。川面もきらきら。 帰り道のあんずはぜぇぜぇ。この暖かさに参ったのかと少し心配になる。 犬は寒いのが好きだというけれど。今年の夏を無事に越せるだろうか・・。
そうして窓から紅い夕陽が見え始めた頃。あんずが来客を知らせて吠える。 誰だろう?と玄関にとび出して行き。あまりの思いがけなさにびっくりした。
なんと今夜電話しようと思っていた彼女がそこに。笑顔で佇んでいたのだ。 職場復帰が近くなり体力をつけようと。ふっと思い立って散歩に来たと言う。 大橋のたもとにクルマを停めて。もう一時間近くそこらを歩いていたそうだ。
もちろん『猫やしき』の話しをする。「やっと見つけてくれたのね」って。 話しながら私は不思議でならなかった。昼間思い浮かべていた彼女の笑顔が。
いまここにある。ただ想っただけだというのに。こうして会えるものなのか・・。
お大師堂のほうへ今から行くね。彼女は元気に手を振って路地を遠ざかって行った。
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