| 2008年12月23日(火) |
そんないつかのために |
真冬らしい朝。ねずみ色の空からまた雨でもなく。 雪でもない粒が。はらりはらりと零れ落ちていた。
けれども東に向かうにつれ空が明るく晴れわたる。 海沿いの道を行けば朝陽にその青がまぶしく光る。
昨夜の心細さはいずこへ。目覚めれば現実的に朝。 ありがたいことだと思う。雀の声さえ愛しく思う。
約100キロの道のりをまた彼のお世話になりながら。 ふとじぶん独りで行けたらどんなにいいだろうかと。 ばちあたりなことを思った。方向音痴のくせに何を。 そう咎めながらも。独りで行きたい場所があるのだ。
友人。わたしはずっとずっとそう思っているけれど。 ささやかな縁にしがみついているだけなのかもしれず。 けれども決して離れたくない。大切でならない縁だった。
ずいぶんとながく歳月が流れたけれど。顔も知らない。 声だって知らない。電話番号もメールアドレスさえも。
知らないことだらけだけれど。私は彼を確かに知っている。 息遣いを感じる時だってある。とても私に近いところから。
予定より少し遅くなりちょうどお昼時に目的地に着いた。 そこは硝子細工のお店らしく。でも扉に鍵が掛かっていた。 でも間違いないここなのだ。窓から彼の絵がちゃんと見える。
しばらく待っていると店主さんが帰って来てくれてほっとする。 開口一番にもしや?と訊かれた。待っていてくれたのだそうだ。 彼が。約束したんだと言って午前中ずっと待っていてくれたのだと。
明日が最終日の個展だったから。きっと今日だと信じてくれたのだろう。 私も速達で葉書を出そうと書いたのだけれど。それを躊躇ってしまった。 もし予定通りに行けなかったら。どんなにか悲しむだろうと思った・・。
自宅はその場所のすぐ近くだと言う。けれどもあえて連絡を頼まずに。 ひとめ会いたいけれど。会わずに帰ることを選んだ。それが希望だった。 いつかきっと。そうでなければいけないような気がしてならなかったから。
そういつか。そんないつかのためにともに生き続けたいと祈るように願う。
ありがとうひろたくん。優しくてあたたかくてほっとした一日でした。
私信:ひつようなのです。どうしてもどうしてもひつような縁なのです。 どうかわかってください。どうかしんじてください。お願いです。
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