| 2008年12月18日(木) |
どんぐりころころ喜んで |
風がすこし冷たかったけれどそんな冬らしさが好きだった。
朝の国道から見る河口が白く輝く。朝陽が水を覆い尽くし。 いちめんの銀世界のように見えた。いまは流れずにいよう。 その静けさのなかで時を待とうと。水の精たちの声がする。
今日こそは一番のりのつもりだったけれど。母に先を越された。 あらまあと愉快でならない。おはようを交し合い一日が始まる。 そのぶん同僚がずいぶんと遅刻してくる。もちろん誰も咎めない。 常識外れといえばそれまでだけど。以前のような緊迫感が薄れて。 そのおかげで皆が精を尽くせるのかもしれない。家族のような職場。 今年もなんとか年を越せそうなのが。奇跡のように思えてならない。
職場の庭には南天の紅い実。千両も万両の実も紅く色づいてくれた。
帰り道の買物。いつもの店でまたすっかり馴染みの店員さんに声をかける。 最近自分でも不思議なくらい人懐っこくなってしまい。可笑しくてならない。
顔見知りの人を見かけただけで逃げるように売場の陰に隠れることもあった。 何かがとてつもなく億劫でならなかったり。憂鬱でならなかった頃があったけれど。
最近ではレジ選びもする。お気に入りの店員さんのところに直行するのが楽しみ。 「わぁ今日は鍋ですね〜」って言ってもらったりすると嬉しくてならないのだ。
そうしてインフォメーションにいる彼女にも声をかける。息子君の同級生で。 忙しそうにしていてもついついその名を呼んでしまったりするのだった。 「お疲れ〜また明日ね」って言ってくれる。「は〜いまた明日ね」笑顔で手を振る。
ひとが好きだ。ひとが恋しくてならない。みんながあったかいぬくもりを持っている。
肩を落としてしょんぼりしているひとも。苛立って声を荒げているひとだって。 みんなあたたかな血が流れているはずなのだ。だから生きて日々を乗り越えていける。
もしもどうしてもその血が冷たいというのなら。あたためてあげたいものだ。
自分に出来る精一杯の温度で。ぎゅっと抱きしめてあげられたらどんなにいいだろう。
追記:日暮れ間近いつもの散歩に行く。どんぐりを見つけたものだから。 それを歌う。「どんぐりころころどんぶりこ」お池にはまってしまい さあ大変になるのだけれど。どじょうが出てきて「こんにちは」する。
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