| 2008年12月17日(水) |
夢であなたにあいました。 |
明け方まで雨が降っていたのかもしれない。 雨雲を素直に風にのせることができるのか。 朝陽がそれは優しくそっとその背中を押した。
清々しくきりりとした空をトンビ達が飛び交う。 くるりと旋回しながらふうっと息をするように。 心地よさが伝わっきて思わず両腕を広げてみる。
羽根はない。いつまでたっても羽根などないけれど。
昨夜も酔いつぶれてしまってぐっすりとよく眠った。 そのくせ夢をみる。青春ドラマ的な夢ではなくって。 久しく会わない弟が登場してくる。「ねーちゃん」 困ったよほんとに困ったよ。なんとかしてくれよと。 それは深刻な顔で言うものだから。貯金通帳を渡す。
ああでも。ねーちゃんも困っちゃうよ。どうしよう。 そう思った瞬間。弟は忽然とどこかに消えてしまう。 そうして今度は母の声が聴こえてきた。「ねーちゃん」 黙って休んだりするから心配したじゃないのって大声。
ちゃんと言ったよ。休ませてねってちゃんと言ったよ。 どうして忘れるの。無理しないでねって言ってくれたよ。
あーもうほんとに。ねーちゃんどうすればいいかわかんない。
その瞬間がばっと目覚める。やけにリアルな夢をみたものだ。
今日こそは早目に出勤しようと思っていたけれど少し遅くなる。 母にメールをしてからいつもの山道を行く。なんだかそわそわ。 道中の風景を眺める余裕もなく。冬けやきも仰げないままだった。
また同僚のお世話になる。母の姿は見えず少し気掛かりになった。 同僚が母のタイムカードを見てくれ。昨日も相当遅かったらしい。 まあ鬼の居ぬまに一服しようやと。ふたりで珈琲を飲みくつろいだ。
母がやっと出勤してくる。あらふたりとも早いのねとケロっとした顔。 アパートで孤独死じゃなくて良かったわとそれも笑い話になりさあ仕事。
川仕事が一段落したことを告げ。収穫期までは精一杯尽くすことを誓う。 やっぱねーちゃんが居てくれると助かるわなどと言ってくれる母だった。
からだがふたつあればと無理なことを思う。せめて若くてもっとタフで。 どちらにも尽くせるような存在でありたい。出来ていたことが出来ない。 ながく生きていればそんな限界が必ずくる。母は私以上にもっと老いる。
帰り道で買物をしながら。ずっと弟のことを考えていた。元気だった。 つい先日電話した時は元気そうで。仕事も頑張っている様子だったし。 夢のことが気になったけれど。あえて今日は電話もせずにやり過ごす。
そうだお歳暮を贈ってあげよう。子供の頃から食い意地がはっていたな。 とにかく食べるものが良い。そうだハムをこんがり焼いて食べるのが好きで。 お弁当にいつも入れてあげていたのを思い出す。当時は魚肉ハムだった。 けれどもねーちゃんもまともなハムくらい買ってあげられるようになったさ。 丸大ハムだよ。これをこんがり焼くとめっちゃ美味しいよ。ほうらたんとお食べ。
喜ぶ顔が目に浮かぶ。ねーちゃんさんくすってきっとメールが届くだろう。
おとうとよ。世間の荒波に押し流されたっていい。でも決してくじけるなよ。
負けるなよ。頑張れよ。そうしてねーちゃんよりずっと長生きするんだよ。
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