| 2008年12月08日(月) |
会えるかもしれないことへ |
きりりっと冷たく冬らしい朝だった。空気がとても澄んでいる。 そのおいしいところをいただきますと。今朝も深呼吸をしてみた。
天気予報は晴れのち雨だというけれど。信じられないくらいの青空。 いつもの大橋を渡りながら見渡す川面は。鏡のようにその青を映す。 そうして河口沿いの道に向かうと。光の天使達が水鳥のように舞う。
見せてあげたいといつも思う。もうなんねんも叶わぬことを願いながら。 このまま老いていくのだろう。それが自分の存在を意味づけるかのように。
朝いちばんに読んだJさんの日記に「おおきな愛になりたい」と書いてあった。 そうだった。私もそうだったのだと。今朝ほど心がふるえたことはなかった。 不確かで心細くありながらもずっとそう願い祈り続けてきたように思う。
ながいこと時が流れた。けれどもすすむ。わたしはそこに向かって今も歩んでいる。
やがて河口が見えなくなると国道は山に囲まれ。全長1.6キロの『伊豆田トンネル』 トンネルの真ん中あたりで。四万十市から土佐清水市に変わるほどの長さだった。
排気ガスが充満しているであろうその暗い歩道を。ひたすら出口を目指して歩く。 お遍路さんの姿にはいつも勇気をいただく。トンネル恐怖症の我が身を忘れるくらい。
それでも少しは臆病者なのだろう。トンネルを抜けるとすごくほっとするのだった。 そうしていつもの県道へと右に折れる。あとはくねくね道の峠を目指すだけだった。
ひとり。ふたり。青い目をしたお遍路さんに会えそうな気がしてならなくて。 追い越すたびにスピードを緩め。ただただ会釈を繰り返しつつ先へと進む。
五人目だったと思う。ひときわ背高のっぽのお遍路さんの後姿を見つけた。 ちょうど峠道に差し掛かったあたり。杉の木が生い茂る道をひたすら歩いている。
笠を被らずに背中にそれを背負っていてくれたおかげで。しっかりと確かめられた。 スキンヘッドでなかなかのイケメン。30歳前後の若い青年で青い目をしていた。
こころがきゃ〜と歓声をあげる。やったぁ!会えたんだ。我ながらすごい感動だった。 こころを込めて会釈をする。ささやかなこと伝わってくれたら良いなって願いながら。
けれども追い越していかなければいけない。後ろ髪を引かれるような想いのままで。
どうしたことだろうこの胸の熱さは・・なぜか涙がほろほろとこぼれてしまう。 じぶんで自分のことがわからなくなってしまって。宥めようにもその仕方が見つからない。
会えたのだ・・会えるかもしれないと思っていたひとにちゃんと会えたのだ・・。
ほんとうにささやかなこと。誰も知らない私だけが知っている出会いだった。
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