| 2008年11月30日(日) |
おはようあたらしい朝 |
風がひゅるひゅると冷たいけれど心地良さそうに音を奏でている。 むかしであったひとが。仙人になりたいと言っていたのだけれど。
もしかしたらあの雲のうえか。それともむこうにみえる雲なのかと。 空を仰いでいる。はやく見つけてあげないと遠くへいってしまいそう。
朝陽は知っているのだろうか。無言の光がいまあたりを輝かせて。 わたしのなかをつらぬこうとしながら。それが出来ずに散っていく。 それは川向の山に落ちた。色づけずにいる深い緑のふところに落ちた。
きのうの午後のこと。わたしは思いがけずに「ちゃがまってしまう」 どんな漢字で書けばいいのかわからない。ちゃがまるというのは。 故障するとか駄目になるとかという意味の土佐の方言なのだけれど。
悔しかったとても。悲しいのでも辛いのでもなくとても悔しかった。 あくまでも気丈夫である。なんのこれしきと気力だけはとても強い。 それなのに起き上がれない。歩けない動けない。気をつけ休めやすめ。 とにかくやすめなのだと家族に言ってもらい。ひたすら横になるばかり。
ずっと待っていた息子君の声。台所でサチコと一緒に晩御飯を作っている。 朝のうちに下ごしらえをしておいた炊き込みご飯の炊き上がる香ばしい匂い。 ポテトサラダを作り味見をしてみてと寝床に運んでくる。あさりのお味噌汁も。 息子君はウインナーをボイルしているもよう。父親は晩酌だと大騒ぎしている。
三人でわいわいおしゃべりしながら食べているようす。サチコがふざけている。 「なんか・・お母さんが死んじゃったみたいだよね」笑うなサチコと寝床で母も笑う。
夜更けてやっと起き上がれるようになりほっとする。炊き込みご飯が美味しい。 ネットで注文していた日本酒も届いていたけれど。男達は封を切らずにいたらしい。
大晦日に一本と元旦に一本やろうぜと男達だけでそう決めたのだそうだ。 母はすぐにでも飲みたくてならない。いつものようにまったりとそうしたい。
そう。いつものように。平穏無事に暮れていくいちにちのありがたさを。 身をもって感じた夜だった。そんな夜もこうして明けてまた新鮮な朝がきてくれる。
のんびりと元気でいよう。夕陽の頃になればまたあんずと川辺の道を歩こう。
おはようあたらしい朝。きょうの風よありがとう。きょうの空よありがとう。
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