ゆらゆら日記
風に吹かれてゆらゆらと気の向くままに生きていきたいもんです。

2008年11月15日(土) 命日という名の夜に優しい雨がふる

晴れのち曇り。日暮れとともに静かに雨が降り始める。
昼間の暖かさをそのままに。まるで春の雨のように優しい。


父の命日。5年前の今日のこと。誰にも看取られることなく。
このうえない孤独のうちに。そっと静かに眠るように逝ったのだろうか。

私はその瞬間の時間のことを一生忘れられない。確かに時計を見たのだ。
午後6時半頃だった。ふっと父のことを想って電話してみようとしながら。

それをしなかった。どうしてそうしなかったのか自分でもよくわからない。
呼んでいたのだろうと思う。最後の声をふりしぼって私の名を呼んでくれた。

そばにいてあげられなかったこと。父と会わずにいた歳月があまりにもながく。
ほんとうに親不孝な娘だったと悔やんでも悔やみきれずに今も生き長らえている。


父の死を知ったのはまる一日経った夕暮れ時だった。そのいちにちのあいだ。
誰も父の死を知らずに。それぞれの日々を送っていたのかと思うと・・。
あまりにも不憫でならず。心が抉られるように後悔と悲痛に苛まれたことだった。

もうすっかり冷たくなってしまった父に添い寝をして一夜を過ごした。
父とふたりきりで過ごすのは最初で。もう最後になってしまったけれど。
父の寝息が聞こえる気がして。とてもあたたかくてならない夜になった。

子供の頃よく怖い夢を見ては。枕をさげて泣きながら父の布団に潜り込んだ。
あの頃とおなじ安らぎ。あの時と変わらない父の優しさを感じずにいられなかった。


そうして5年の歳月が流れたけれど。父はずっと私のそばにいてくれるのを感じる。
偶然であるような思いがけない喜びがあり。自然界に恵まれ人との縁に恵まれ。

朝に晩に父の遺影に手を合わす。お父ちゃん今日も見守ってくれてありがとう。

今日ねすごい良い日だったよって報告しながら。感極まり胸が熱くなる夜もある。


今夜もサチコが言うの。おじいちゃんってすごいね。坂本龍馬の誕生日だし。
命日も一緒なんだよね。おじいちゃんってかっこいいね。さすがやねって。


生前一度も会わせてあげられなかった孫の声を。
どんなにか嬉しく微笑みながら聞いていることだろう。








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