| 2008年11月14日(金) |
一期一会のありがたさ |
夕陽が川面を染める頃。あんずとお散歩に行く。
今日は早目に帰って来れてよかった。なんだか。 どっと疲れを感じていたけれど。とにかく歩こう。 行かなくちゃ行かなくちゃって。自分がじぶんの。 背中を押しているような。けれども歩き出したら。 不思議と足取りが軽くなる。あんずも駆け足で歩く。
母さんがんばれ。ほらほらもう少しって声が聞こえる。
お大師堂が近づくと。誰か人の気配がしてその扉の前に行けない。 あんずもそれを感じたのか。急に尻込みをして立ち竦んでしまう。
どうしよう・・って迷った。引き返そうかなと思ったその時だった。 その扉が開いて。中から白装束を羽織ったお遍路さんがにっこりと。 微笑みながら声をかけてくれたのだった。ワンちゃんいらっしゃい。
ちょうど私の母親くらいの年齢だろうか。白髪交じりの髪とまるで。 観音様のような優しい顔をしていた。私がほっとするとあんずもほっと。 ふたりしてそばに居させてもらう。そうしてしばし語らう時をいただく。
二年前にご主人を亡くされたのだそうだ。その後ご自分も病がちになり。 やっとそれを乗り越えてこうして遍路旅に出ることが叶ったのだそうだ。
今夜はお大師堂に泊まるのだという。女身独りで心細くはないだろうか。 そんな心配をよそにそのひとは「だいじょうぶ。何も怖いことはないの」
そう言って安心させてくれた。その言葉がとてもとても心に強く響いた。 それは同時に。今のわたしにとっての勇気にだって思えてならなかった。
わたしも生きられる。不安がることは何ひとつないのかもしれないと思う。
夕食後。わなわなしながらいつも服用する薬を飲まずにいられた。 そうして来るなら来いって思っている発作も。嘘のように遠ざかってくれる。
だいじょうぶ行っちゃえ。そんな心意気でいつものバドにも行くことが出来た。 以前のように動けなくても。軽く身体を動かしているだけでじゅうぶんだと思える。
逃げないこと諦めないこと。とにかく立ち向かうこと。それが大切だと思った。
いつもならもう眠りについている頃。どうしても書き残しておきたくてここに記す。
ささやかな縁だって。かけがえのない縁になり得る。
一期一会にこころから感謝して今日という日を終わろう。
おやすみない。ありがとうございました。
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