| 2008年11月01日(土) |
いまここにいる。いまふたりでいる。 |
晴れ時々くもり。小春日和というにはまだ早いのかもしれないけれど。 赤とんぼではなくて。黄色い蝶々がそれはたくさん飛んでいるのを見た。
川向の田園地帯沿いの道を行き。人里離れた山裾にその美容院があって。 今日は髪を切ってもらった。そうしてまた顔だけ老けた中学生みたいになる。
さっぱりと心地よい。床に散乱する自分の髪を見ながら「おさらばだね」 そんなすっきりさ。潔くそうすることでいつだって生まれ変われた気になる。
午後。とにかく動き出したくて。夏に会った友人の写真展を見に町へ行く。 公民館に着くと。玄関前で思いがけず『菊花展』をやっていてしばし鑑賞。 80才くらいに見える女性がそこにいて「もうながいこと育てているよ」と。 丹精込めて咲かせた菊を我が子のように見せてくれた。とても可愛い菊だった。
そうして写真展。よかった彼女がそこにいてくれる。夏に会った時の約束。 「今度は秋ね」をしっかり果たすことが出来た。真っ青な空と子供達の姿。 彼女の写真は微笑ましくて。そしてあたたかくて。とても好きでならない。
紅茶をごちそうになりしばし語らう。人恋しかったのだろうかとても胸が熱かった。
今度は春。その約束をせずに別れてしまったけれど。たぶん夏のような気がする。 きっと元気にまた笑顔で会おう。そうして心ゆくまで語り合いたいと思った。
 
日暮れ間近。もはや日課になってしまったふうで。あんずと散歩に出掛ける。 お大師堂がよほど気に入っているらしく。今日も先へ先へと元気な足取りだった。
帰り際。思いがけず潮が引いていて。川岸の岩の上を危なっかしくふたりで歩く。 するとすぐ近くに観光船が見えて。たくさんのひとがあたりを眺めているのがわかる。
「あんず、ほらみんなが見ているよ」ってとても照れくさくてならなかったけれど。
おもいきって手を振ってみた。そうしたらなんと驚くほど一斉にそれが返ってきた。
見ず知らずの人たち。通りすがりの人たちがみなその手を振ってくれている。
気がつけば子供のように手を振り続けている自分がそこにいて。気恥ずかしさを。 通り越してただただ胸が熱くなる。ああひとっていいな。ひとってこんなに温かい。
そんな一瞬。そんな一期一会。手を振れないあんずはその船のたてる波音に。
いまここにいるって。いまふたりでいるって。感じてくれたらいいなって。 あたまを撫でて。ぎゅっと抱きしめたい気持ちでいっぱいになった瞬間だった。
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