| 2008年10月30日(木) |
こころひとやすみ。こころあわてずに。 |
鈴虫ではなくコオロギでもなさそうな秋の虫が。とてもか細く。 窓の外で鳴いている。そっとその窓をあけると。ただ闇があり。 ひんやりとした夜気が忍び込んでくるばかり。ちちち。ちちちと。
小鳥のようになく虫は。どこにいてどんな姿をしているのだろうか。
わからないということ。知らないということが。時には愛しくもある。
今日も平穏。昼間のあれこれなどもう忘れてしまうくらい寛いでいると。 ぜんぶひっくるめてそう思えてくる。零れ落ちたものはもうひろわない。 そんな夜の訪れがありがたくて。手のひらに温かなものをそっとひろげる。
思うように尽くせなくてもいい。きちんとするべきことを置き去りにしては。 いまは時を待っているのかもしれなかった。その時がくれば心も動くだろう。
こころひとやすみ。こころあわてずに。こころうずくまっていてもいいから。
仕事。いつもより30分早目に終えられたおかげで。牧場の牛達に会えた。 その道を通り過ぎてからまた引き返して。一気に子供みたいな気持ちになる。
柵のすぐ近くまで行き笑顔で眺めていると。一頭の牛がそばに寄って来てくれた。
優しい目。牛に限らず動物の目というものはほんとうに澄みわたる空のようだ。
肉牛であることの運命など。彼や彼女や子牛達には少しも苦ではないのだろうか。
草を食み。仲間とよりそう。子牛は母の姿を頼りに乳を吸い日々育っていくばかり。
そこには何者も侵せやしない輪があり。満ち足りた空気が漂っているのだった。
牛になりたい。肉牛になりたい。この身を捧げられるように私も生きたい。
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