| 2008年10月09日(木) |
さりげない風景のなかに |
朝の窓辺で雀達の声を聴いていた。今日も良い天気だなあと空を仰ぐ。 堤防のススキもずいぶんと立派になった。そうして風を感じられる朝。
ちゅんちゅくちゅんちゅくりん。
雀のように小躍りをしてみたい。
あっけらかんとひょうきんになって。
そうしてたくさんの笑顔にあいたい。
けれどもどうか無理にそうしないでいて。
泣いたカラスがいま笑ったように笑って。
いつもの山道。その峠のてっぺんのあたりに谷川が流れていて。 今朝はそこで自然の水をいただく。サチコがメダカを飼い始めた。 もうふた月くらい経ったけれど。いまでは母のメダカのようになる。
谷を仰ぐとそこは獣道みたいにずっと山の上に繋がっているのがわかる。 森のにおいがする。道路が近くにあっても森に迷い込んだような気になる。 どきどきと胸がふるえるのを抑えながら。冷たい清水をボトルに汲み込む。
怖いけれどその場所がとても好きだった。森深く行ってみたいとふと思った。
仕事は。午後久しぶりに緊迫感が漂う。乗り越えればどっと気疲れを感じた。 母は確実に老いている。頼りにされている身なら尽くせるだけ尽くしたい。 そう思いながらも逃げ出したい自分を感じて。その葛藤に押し潰されそう。
帰り道。遍路宿に向かう二人のお遍路さんにあった。宿への坂道には秋桜。 その花影に白装束が見え隠れしているのが。なんともいえず心が和む光景だった。
どんな日もある。けれどもいつだってそれは救われることができるのだと思う。
そんな光景を見逃してはいけない。それは偶然のようでありながらちゃんと。
そばにいてくれる。道端のさりげない風景のなかにだってそれはいてくれるものだ。
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