| 2008年10月08日(水) |
穏やかさが綿のように心をつつんでくれる。 |
秋晴れのいちにち。夜明け間近に椋鳥の大群がやって来る。 それは奇声のように叫ぶように鳴き朝の静寂を破るけれど。 電線に夥しく留まっているシルエットが。とても壮観であった。
子供のように彼を呼ぶ。おとうさんはやく来てほらみてごらんと。
もうそんな頃になったのか。感慨深げに呟く声が嬉しくもあった。
夜明けとともに川仕事に出掛ける。早朝の水辺はとても清々しくて。 身も心もすくっとさせてくれるのだった。深呼吸をいっぱいしてみる。
今日は漁場に海苔網を張る作業だった。どうか種が無事に育ちますように。 願いを込めてそれをする。大雨が降りませんように。水が濁りませんように。
帰宅してすぐに山里の職場へ。行こうと思えば間に合う時間だったけれど。 例のサボリ癖が出てしまいとうとうお休みをいただくことにしてしまった。 昨日も午後から休んでいたので。ほんの少し気を咎めつつも寛いでしまう。
ゆっくりと洗濯物を干していたら。お隣のご夫婦が秋桜の庭で戯れていた。 どうやらお互いの写真を撮っているふうで。ついついお邪魔してしまった。
ふたり一緒にと言うとそれは喜んでくれて。肩をよせて微笑あってくれる。 今年の秋桜は最高だねと声をかけながらシャッターを押した。にっこりと。 いつもは怒鳴ってばかりいるご主人も、今日ばかりは満面の笑顔で嬉しい。
和やかな朝のひととき。おかげで穏やかさが綿のように心を包んでくれた。
午後。のんびりと本でも読めば良いものを。また整理したい病のおかげで。 どこかないかとそわそわとしながら。ふっと和室の小引き出しを開けてみる。
古い通帳や領収証などをひっくりかえし。捨てるものがないかと確かめる。 するといちばん底にへばりつくように。なんと一万円札が折りたたんであった。 三枚も。なにこれ?とどうして?と最初はとても信じられなくて途惑ったが。 今年の春に自分がタンス貯金をしていたのをやっと思い出したのだった。
一枚おくれと彼に取られ。残りは今月の生活費の足しにすることになった。 実は正直困っていたところ。これは天からの恵みか。整理病万歳の気持ち。
あれやこれやのおかげで。今日もありがたく暮れ。今は鈴虫の声に心和み。 これを書いている。この穏やかさをそのままに抱いて眠りたいと思っている。
こころは打たれ苛まれていたけれど。その山をやっと越えたようなこの頃。
もうじゅうぶんにじぶんを責めた。あとはぎゅっと抱きしめるだけだと思う。
|