| 2008年09月27日(土) |
秋風が連れて来た旅人 |
彼岸明けから一気に涼しくなり朝晩は肌寒さを感じる。
なにかと何かが切り離されていくような切迫感さえもあって。 こころのなかの空洞には。秋風が連れてきた旅人が宿っている。
彼なのか彼女なのか。どこか遠いところから突然やってきては。 口を閉ざしたまま何ひとつ語ろうとはしない。かすかに息をして。 そのまわりのほんの一所だけが。やわらかな温もりになって漂う。
とにかくそっとしておいてあげようと思う。いま起こしてはいけない。
その時がくればまた旅立っていくのだろう。笑顔で見送ってあげよう。
朝のうち。またふと思い立ち押し入れの整理整頓に励んだ。 納戸というものか。我が家には納屋というものがないので。 そこにはストーブやら。サチコの雛人形などを押し込んである。
ベビーダンスだってまだ捨てずにあり。その引き出しの中には。 子供達が書いた絵日記や。母の日にもらった色紙や古い人形や。 とにかくいつまでも残しておきたいものがたくさんあるのだった。
そのことを知らずにいたサチコがびっくりして懐かしんでくれた。 これはずっとここにあるから。いつか自分の子供に見せてあげようね。 なんてことを言いながら。母も懐かしくてならず目頭を熱くしたのだ。
「母さん、もしかして死ぬんじゃないの?」って笑いながらそう言う。 「うん・・母さんもなんかそんな気がする」って母はけっこう不安顔。
それをそばで聞いていた彼が可笑しそうに言うことには。 「普通の主婦はいつも綺麗に整理整頓するのに、おまえは10年に一回!」
かもね・・と妻は思う。やっとその時が巡ってきたのだなと納得をする。
儚いのだ。だれだってそんな儚さと隣り合わせで日々を生きている。 命の蝋燭なるものがあるのなら。この目で確かめてみたいといつも思う。
だとすると『ふと思い立つ』それはとても大切なことのように思える。
暑くもなく寒くもなくちょうどよいこの季節。 明日は茶の間の押入れを整理しようかなともう決めている。
わたしはお宝発見に目覚めたさすらいの探検隊員ということにしよう。
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