| 2008年09月24日(水) |
我が家の末っ子。甘えん坊。 |
今朝も飼い犬の声で目覚める。 とても辛そうな声で呼ぶのだった。
彼女はずいぶんと老いてしまったのだろう。 人間だともう80歳くらいの年頃だと思われる。
けれどもまるで小さな子供が足をすぼめて震えつつ。 漏れちゃうようって泣きながら訴えているような声。
「またかよ・・」と彼がしぶしぶ起き出して行く。
そんなふうに私たちの朝が始まる。ごく自然な朝。
お味噌汁を作り。卵焼きを作る。魚肉ソーセジを切る。 朝のニュースを見ながら。それを話題にしながら食べる。 私だけ納豆をかき混ぜ。牛乳に黄粉を入れて飲むのだった。
食後。いつもなら洗濯物を干すのだけれど。今日はお休み。 あまりに少ない日はなるべくサボるようにしているだけだ。 そのぶん明くる日にどさっとある。そのほうが洗いがいがある。
けれども彼女は庭で待っていた。そのことを出掛ける時に知った。 空はこんなに晴れているのに。どうして姿が見えないのだろうと。 彼女なりに不安がっていたのかもしれない。いつもならこんな朝。
少しだけ遊んであげるのが日課だった。「来て、来てよう」と。 犬小屋から呼ぶ声が聴こえる。「はいはい今行くよ」と応える。
そのことを今朝は思い出しもせずにいた。さあ仕事に行こうと。 クルマにとび乗って庭からバックしながら出て行こうとしていて。
彼女と目が合う。ああそうだったごめんよってそんな声も届かず。 もう完全にいじけている顔がそこにある。とても寂しそうな顔だ。
「行けば・・」ってその目が訴えていて。うなだれているのが解る。
家族だった。どんなに老いてしまっても我が家の末っ子甘えん坊だった。
帰宅していちばんに会う末っ子は。もう今朝のことなど忘れたのか。 尻尾を振って嬉しそうに出迎えてくれる。「おかえり」って顔をする。
そうして晩御飯時。その甘えん坊度は頂点に達しているらしかった。 とにかくどこもかしこも舐めたくてたまらない。まずは足次は顔と。 やわらかくて温かい舌は。我慢が出来ないくらいくすぐったいもの。
ついつい「やめて」と声を荒げそうになる。けれども本心は嬉しい。
夏の間すっかり落ちていた食欲が戻ってきたようでほっとする。 がつがつと一気に平らげてくれるので。「足りた?」と訊くほど。
今年も夏を乗り切ってくれたのだと思うと。よけいに愛しくなる。
明日も。しっかり起こしてくれるよね。
だいじょうぶ。どんなに真っ暗でも。父さんも母さんもちゃんといるよ。
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