| 2008年08月07日(木) |
私は微熱を保ち続けていたかった。 |
もう立秋なのだそうだ。この日を待っていたかのように大粒の雨が降る。 それは熱を冷ますように降ったけれど。私は微熱を保ち続けていたかった。
山里の雨はそぼ降る感じで。それなりに涼しくて過ごし易い一日。 このところ毎日聞いていたセミの声もせずに。どこからともなく。 不思議な声が聴こえる。シャアシャアって響くような音となって。 いったい誰が鳴いているのだろう?その声の主に会ってみたかった。
帰り道。途中からもの凄い雨になった。ワイパーを高速にしていても。 目の前が真っ白になるくらいの大雨で。とうとう臆病風が襲って来てしまう。
情けないことだけれど。ほんとうに駄目なのだ。怖くてハンドルが握れない。 すごい大げさだけれど。私という人はいとも簡単にパニックに陥るのだった。 心臓がパクパクし出して呼吸が苦しくなる。今にも死んでしまいそうになる。
もう限界とみて。しばし路肩にクルマを停め雨が小降りになるのを待っていた。 そこではっと気づけばガソリンがあと少ししかなかった。マジかよと焦る。 仕方なくエンジンを切りラジオも切り。とにかくそこでじっと耐えていた。
ふうふうと息を整えながらなんとか落ち着こうと努力する。ああ馬鹿みたい。 ってちょっとは自分を笑えるようになった。この弱虫、何やってるんだ!
そうしてふっと思い出したのは。10代の終り頃の嵐の夜のことだった。 あの頃は怖いもの知らずで。台風なんかもちょっと好きだなとも思えて。 上陸するかもしれなくても。その一部始終を見たくなり表に出たりしたのだ。
クルマの中で嵐を見ていた。もの凄い雨と風でクルマが横倒しになりそう。 それがスリル満点でなかなか面白かったりしたのだ。ああ若かったなあって。
きょう思い出した。ふふふっと懐かしかった。また会いたいなって思う自分。
そうして心がちょっとだけ旅に出ているあいだに。雨が少し静かになってくれる。
ようし!飛ばしまくってやるって決める。自動車道に入って一気にスピードを上げた。
ほんとにすかっといい気持ち。ついさっきまでの自分が嘘みたいに思えた。
|