| 2008年05月13日(火) |
なにかを伝えたがっている。なにか。 |
雨がはげしかったり。やわらかくなったりのいちにち。 そのはげしい頃に。朝の山道をくねくねと峠を目指す。
雨合羽のお遍路さんがうつむき加減で歩く道。ひとり。 ふたり。さんにんと追いつき。詫びるように追い越して行く。
あの白い紫陽花が今年も咲いた。去年も一昨年もそうだった。 いち早くまるで何かの報せのように咲くのだ。人里はなれて。 山肌から零れ落ちた真珠のように。ぽつんと一輪そこに咲く。
なにかを伝えたがっている。それはいったい何なんだろうと。
雨に打たれるひとやもしれず。その真珠色の花のことを想った。
そのやわらかくなった頃。白雨というのか陽のなかに雨のしずく。 山の緑が喜ぶように輝くのを見た。まぶしさが歓喜の声になって。
胸のあたりの濁ったものがすすっと。幕があがるようにすすっと。
いまなんだと思うことがきっと大切なことなのだろう。だからいま。
おおきく息をしてそこに在る。始まりはいつだってあたらしい色だ。
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