きのうよりも。もっと春。信じられないのじゃない。
信じたい春だ。陽射しを浴びながら思った。ここに。
いる。きのうじゃないいまのことを。ぎゅっと想う。
水辺の枯れ葦のなかに鷺がいて。じっと身動きもせず。
水を見ている。さらさらと流れる水に陽の光が眩しい。
あしたのことなど知らない。だけど水は流れつづける。
飛ぼうか行こうかどこに向かって。気の向くままに空。
だって空しかない。鷺のこころに。わたしはなりたい。

寿司飯をひとくち大のおにぎりにして。卵焼きのにぎり寿司にする。 サチコは海苔が良いと言って。ふたり台所でおにぎりの奪い合いに。 早いもん勝ちだと母は寿司職人の勢い。サチコも負けずにがんばる。
おっきめの西洋皿に黄色と黒が寄り添う。つまみ食いする男も一名。 ビールも飲まなきゃいけないし母は忙しい。あおさの天ぷらも作る。
でも失敗。『たにぐち』のとも『いなか』のとも違う。居酒屋さん。 天ぷら上手だなあ。どうしたらあんなにカリっと揚がるんだろうか。
でも。それなりに美味しいとサチコのフォローで。今夜もしゃんと。 夕食を終える。母はほろ酔い。へろへろしながら食器を洗い片付ける。
飼い犬に餌を。ドックフードにお味噌汁のお豆腐を入れてあげたら。 思いのほか喜んで食べてくれる。随分と日が長くなったなって空を。
一番星を見つける。太陽があしたに向かいながら。星を浮かばせて。 その星は。ずっとそこに動かずにいるのだけど。きのうではない日。
アタシハホントウニアシタヲシラナイ。それがきっと順調なことだ。
気の向くままにふわりっと飛びたい。あっちとか向こうとかじゃなく。
ここにいるなって思える『いま』へ。
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