| 2008年01月12日(土) |
ささやかなの。ちいさいの。まんまるいの。やわらかいの。 |
朝のうち。昨日の忘れものみたいな雨がぽちぽちと濡らす。
仕事をしながら空ばかり見ていた。晴れたらいいなって空。
そしたら少しずつ明るくなる。よしよしその調子だよって。
空。お陽さまのにおいが好き。なにかが生まれてきそうで。
待ってる。そのなにかのことを見つけてあげたくなる。空。
そうしてぽかぽか。春みたいな陽気になる。きっとこれだ。
ちいさいの見つけた。まんまるいの。やわらかいの。空に。

息子君からメールきて。晩飯を食べさせてくれって言う。 ええっ!ってちょっと嬉しい。たまにはそういうの好き。
ハンバーグ作るよって返信する。あいつ好きだもんなって。 そわそわしながら家路を急ぐ。ちょっと有頂天な母だった。
でも思い出す。昨夜サチコと約束したこと。鶏の空揚げを。 食べたいと言って。明日作るよって言ったこと。楽しみに。 仕事がんばっているだろうなって思う。そうじゃなかったら。 がっかりするだろうな。お兄ちゃん優先なのかって怒るかも。
よっし!こうなったらどっちも作ろう。やれば出来るだろう。 大急ぎで買い物をして帰り着く。腕まくりをして頑張る母だ。
居酒屋のカウンターみたいに。おとこふたりが晩酌している。 なんだか懐かしい光景だった。ほのぼのと嬉しくてならない。
出来ました。ハンバーグを盛り付け。空揚げは熱々さあどうぞ。
久しぶりやなあって若い男のほうが言う。なんかしみじみ言う。 おお!うん!ってちょっと老けてる男も言う。照れくさそうに。
元旦に会ったばかりなのに。なんか違う。こういうのが特別だ。
サチコが車庫から駆けてくる足音。空揚げだカラアゲダって音。 テーブルを見るなり歓声をあげる。きゃーって叫ぶ。すごいって。
大げさだけど。我が家にとってはご馳走。いつも手抜きの母だもん。
食べ終わったサチコに訊く。「馬は勝ったろうかね?」
「そりゃあ牛は負けたよ〜」ってサチコがすぐに応えてくれた。
どんな日もあるけれど。こんな日が宝物だなって思う。
ささやかなの。ちいさいの。まんまるいの。やわらかいの。
|