| 2007年11月13日(火) |
もちょっとしんぼうがんばります |
いつもの山道に。好きだなって思う銀杏の木があって。 今年もその葉が。日に日にと色づき始めた。朝陽の道。
おっきなその銀杏の木には。いつのまにか子供の木が。 根元からちょこっと顔を出し。今朝なんか背伸びして。 きらきらっと朝の光の中で微笑んでいる。ふふふって。 思う。微笑ましさはいつだって思いがけない嬉しさで。
であってしまったひととひとが。ぎゅっとあくしゅする。 みたいな。あっあったかいなって思う温もりに似ている。
お昼休み。いつものように陽だまりのクルマの中にいて。 彼女達の声が聴こえてきた。ちんぷんかんぷんのことば。 でも確かに語り合っている声。笑い声だって聴こえては。 うなずいているような。日本語なら「うん、そーだよね」
姿は見えない。あの髪の長いひとかなって思い浮かべる。 夏の初めに会った事がある。私のことを「おねさん」って。 呼んでくれた。やまももが紅く熟れた頃のお昼休みだった。 ちょっと酸っぱいやまももを「これおいしねえ」って言って。 すごい喜んで帰って行った。満面の笑みに出会えた日だった。
彼女ともうひとりの彼女と。その声をずっと聴いていると。 なんだか。昔あったウーロン茶のCMの映像が見えてくる。 ひろいひろい大地。風に波打つ草原を駆けているみたいな。
故郷を遠く離れ。家族にも会えず。彼女達はここで働いている。 大地とは呼べないほどの。雀色の田んぼや目に迫る山々のなか。 時々トンビがまるくおおきく輪を描いていく。空を見上げながら。
どんなにか故郷を懐かしく思っていることだろう。 会いたいひとに。会えなくて。淋しい夜もあるだろうに。
ふっと我にかえるわたし。わたしはなんてなまけてばかりいるのか。 いやだいやだと首を振るばかりで。なぜに立ち向かっていかないか。 いつも逃げることばかり考えている。家に帰りたい早く帰りたいって。
まいにち帰る家があるから。それが当たり前だと思い込んでいるから。
感謝することも忘れる。たいせつなことをついつい忘れてしまうのだ。
おねさんしんぼうたりません。もちょっとしんぼうがんばります。
そして家に帰ったら。おねさん愚痴ばっか言わずに満面の笑みでいます。
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