| 2007年08月13日(月) |
あした。あさって。ずっと。(13) |
その日わたしは。ずっとうつむいてばかりいた。どうしてもどうしてだか。 顔をあげてまっすぐにそのことを見ることが出来なかった。矛盾している。
と思った。わたしは歩んだ確かに。もうそこになんかいられないくらいずっと。 はるかなところに立っていた。けれどわたしの心はどこに行ってしまったのだろう。
痛いのはなぜだろう。いったいなにが疼いているのだろう。ココハドコダロウ?
去るものはいつだってうつくしい。あえて言おう虚くしいのだといおう。 むなしいのではない。かなしいのでもない。断絶でも終局でもないそれは。
とても心細くそこにあった。まるで吹き消されてしまった蝋燭から湧く煙の。 その息の根が微かに音を吐き。そうしたあとに訪れるべき静寂のかたちだった。
卒業式が終った。それはほんとうにもうモドレナイという儀式でもあるらしい。 それはとてもただしいことだ。戻ることをしないからひとはみな歩んでいける。
しらいし君はどこに行くのだろう。遠いほどいい。けれど知らなくていい。 知らないということで救われる時だってある。無関係なのだもう知らないとは。
わたしはからっぽになった。なんだか空洞だった。入り口があり出口があった。 風が何事もなかったかのように吹き抜けていく。冷たさを忘れようと努力する。 それは。不確かな春のはじまりの風だった。
そうしてわたしはすこしあるく。新鮮なくうきをすう。すってはいてまたあるく。
そしてひとにあう。どうしてだかいつだってひとにあってしまうのだ。
そのたびにまた渦が巻く。ぐるぐるとおなじことばかりをくりかえしていく。
とりかえしのつかないこと。それをみずからえらんでしまうのかもしれない。
そうして傷ついたふりをする。傷つけたことを知らずにまたひとを求めてしまう。
わたしはいったいなにが欲しくて。なにが足らなくてなにを望んでいたのだろう。
また夏が来る。蝉の声を聴いたのだろうか。海はどれほど輝いていたのだろうか。
きゅうくつな夏だった。そこはひどく息苦しい夏だった。
・・・つづく・・・
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