ゆらゆら日記
風に吹かれてゆらゆらと気の向くままに生きていきたいもんです。

2007年06月10日(日) ささやかな旅

さわやかに。このうえないほどすっきりとよく晴れる。


昨夜とてつもなく不気味な夢を見て。うなされていたようだった。
声にならない声。私の呻き声のほうが、その夢よりも恐ろしくあるらしい。

朝になれば笑い話になっている。けれど。どんな夢だったか話したくてならない。

彼が薄暗い所にいて。鎌よりも大きなそれはとても丈夫そうな刃物を研いでいた。
話し掛けても何も応えてはくれない。とにかくみるみる間にその刃が鋭く光った。


殺されるって思ったんだ。どうしてだかわからないけれど私が死ななければいけない。
その理由がそこに満ちていた。タスケテって言えない。逃げる事もデキナイ夢。


彼はとても可笑しそうに笑った。朝ご飯のお味噌汁をすすりながら沢庵をかじり。
私もすこしだけ笑った。だけどちょっと緊張していたのでトマトを床に落としたり。


そうして。あまりにも青い空で雲ひとつない空だったから嬉しくなって。
今日こそは何処かに出掛けようと彼に言ったら。待っていたようにウンと言う。

あてもなく西に行く。いつだってそう。彼はあまり目標を定めないひとだから。
そのほうが楽しいのだと言う。どこかに着くだろう。そこに行けばいいのだと言う。

愛媛県に入ると。すぐに真っ青に光り輝く朝の海が見えた。思わず歓声をあげる。
シャシン写真と私は騒ぐ。ほれほれここがいいぞとクルマを停めてくれるのだった。

合歓の木の花が咲いていた。海風にゆれている。まるで孔雀の赤ちゃんのようだ。
はあはあ感動しながらその絵を写す。だけど気になる。背中に視線を感じるのが。
駄目なのだ。私はなんて身勝手なのだろう。彼のおかげでそこに立っているのに。


また走り出す。そしてとうとう大洲市まで行ってしまった。
以前にも一度来た事があった。あの時は山の公園にツツジがいっぱい咲いていたっけ。

今日は市街地へ行ってみた。確か昭和の時代の懐かしい横丁があるのを思い出したから。

そこで彼はとても喜んだ。メンコやらプラモデルやら鉄腕アトムの人形や。
ビールなんかタライに氷を入れて冷してある。飲みたいなあって彼は言った。

私は彼の写真を撮った。なんだかとても眩しくて。目を細めながら彼を撮った。

彼はちいさな子供のように目を輝かして。ここに来れてほんとうに嬉しそうだった。

私はお母さんみたいに。彼の後ろ姿を。ずっとずっと追いかけて行った。





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