川向の国道沿いにパン屋さんがあって。 そこのお庭にもう藤の花が咲いていた。
桜と藤と。なんだかこの春はとても豪華だなあって思う。 桜もいまだ散らずにいてくれてずいぶんと満たされている。
うぐいすも元気。川端の笹が生い茂る所にいつもいてくれて。 もうすっかり懐いたかのように。そこへ行く度に鳴いてくれるのだ。
今朝はちょっと面白かった。私の代わりに彼が口笛を吹いたのだけど。 私よりもずっと音痴で怪しいうぐいすの声に聞える。ぷーぷけきょと。 これにはさすがのうぐいすもびっくりしたのか。一瞬あたりがしんとした。
駄目だこりゃ。きみには無理やねと私が笑ってからかうとちょっとムキになり。 何度も何度も彼は鳴く。ぷーぷけきょ。ぷぷぷけきょ。ぴきょぴきょと鳴いた。
そしたらやっと美しい声で応えてくれて。その時の彼の嬉しそうな顔ったら。
ほのぼのとこころ和む。そうしてもはや日課となった川仕事への出陣であった。
あともうひと息。もう少しで今年の川仕事も終えられそう。 ふんばってふんばって辿り着くのは。ほんとうに快いことだと思う。
今年こそは旅行に行くぞって。
ずっといつかの約束を叶えようと彼が言う。
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