二十四節気のひとつ『清明』である今日。 ほんに清々しく明るい空気が満ちあふれていたように思う。
春の陽を浴びつつ空を仰げば。その光が全身をくまなく貫いていくかのよう。 些細なわだかまり募る不安など。そのなかにあればほんの微粒に過ぎない。
昼下がりすこし余裕の心地で、近くの小高い丘へと足を運んでみた。 地元では『古学校』と呼んでいる所で、その昔そこに小学校があったらしい。 たぶんその当時からあったと思われる古い桜の木。新しく植えられた木もあり。 今ではちょっとした桜の名所になっている場所だった。坂道をよっこらしょと。 登ればなんだか天に昇る気持ち。昨日の荒天に散りもせず花は今が盛りであった。
しかし残念なことに。いちばん空高くあった古い桜の木が見当たらない。 いつのまに折れてしまったのだろう。哀しく無惨に草むらに横たわっていた。 でもだいじょうぶ。折れたところから新しい枝がちゃんと伸びて精一杯の姿。
さびしさはつかの間。すぐに心がすくすくっと。そしてほのぼのと嬉しくもなる。
桜とともに。そこからしばらく大河をながめていた。きらきらと眩しい流れが。 空を映してこんなにも青く。じぶんがそこにいること。ああ生きてるなって思う。
至福の時とはきっとこんなひと時をそう呼ぶのだろう。
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