| 2006年11月21日(火) |
秋の蝶か。冬の蝶か。 |
蜘蛛の糸が花びらをいちまい攫って行った。
もちろんそんなつもりはなかったと思うけれど。 たまたま風が吹いてきて花びらが散ってしまったのらしい。
離れたところからそれを見つけて。珍しい蝶々がいると思った。 薄紫の蝶々はゆうらゆうらと揺れていて。とても遠くへは飛べないふうで。 誰かに操られているかのように不自然に。その場所を離れようとはしなかった。
とても不思議な光景だった。そして駆け寄って見ると透明な絹糸のごとくあり。 か細くもそれにしっかりとしがみつくようにして花びらは風に吹かれていたのだ。
野牡丹の花だという。夏から秋深くまで咲き続ける花だそうで。民家の軒下で。 もうすでに終わりの頃を迎えてしまったのだったが。木枯らしなどは哀しくて。 今日の優しい風をありがたく思いつつ。今にも切れてしまいそうな心もとなさは。
運命だとひとがいうようなことなのかもしれなかった。
蜘蛛はどこに行ったのやら。たぶんもうその糸のありかさえ思い出しもせずに。 花びらは。まさか最期に繋がることなど夢のように思っては。風の声を聞くばかり。
その時。まるで絵のように黄色な蝶々が飛んで来た。 そしてしばらく花びらの周りを舞って舞ってしながら。
陽だまりのなかへ。不安げにとびたっていった。
秋の蝶か。冬の蝶か。なんだかそれはとても儚い姿だった・・。
|