| 2006年11月13日(月) |
こぼれるままにこうしていよう |
まだ葉を残した仰ぎ見るほどの梢の天に近いその場所で。 栴檀の実が色づき始めた。粒々の黄の数珠のような花のような。
懐かしさは。幼い頃だったのだろうか。いいえ違う。あの頃は。 こんなふうに見上げたことなどなかった。無邪気に走り回っていたのだろう。
この木が好きだなって思ったのは。ついほんの数年前のおとなの私だったから。 懐かしさは。また巡ってきてくれた季節への感謝と。いまここに在る身の確か。 なのかもしれない。空が高く青く澄むほど。こころにいっぱいの実があふれる。
こぼれるままにこうしていよう。落ちればひとつふたつだけ手のひらにのせよう。

いちむじんのファーストアルバムを買った。
気が遥かへと遠くなる。とても目をみひらいたままでは聴いていられない。 そうして閉じたまぶたのすぐ間近に草原が果てしなく広がっているように思う。 走ってなどいない。歩いてもいなくて。ただただ立ち尽くしているような時だ。
どうしようもなく重かった肩の荷を。ふっと降ろしてみると心が涙するほどに。 かるくかるくふわりっとしてくるのだった。こんな安堵がこんなやすらぎの時を。
欲しがることから。すこしわたしは逃げていたのかもしれなかった・・・。
きみにきかせてあげたい。いま。つよくつよくそうおもっている。
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