今朝もいつもの峠道。もうその頃なのか山茶花の花を見つけたのだった。 誰かが植えたというのではなくて。雑木林のあいだから白くやわらかく。 そっと静かに顔を覗かせていては。健気で愛らしく心がほっと和むのだった。
たしかめるようにうなずくように。また巡り来た季節を受止めていく。道は。 天へ天へと昇るように高く。登りつめた峠にはただただ真っ青な空が広がる。
まぶしい朝だった。ついさっきのこと川辺の道で光に満ちた川面に見たそれが。 今度は杉木立の雄大な山を照らしている。少しも不思議な事ではないはずなのに。 なぜか不思議に思えて。こんなふうに感動しては始まる朝がありがたいと思った。
ふっと。この道がなければ生きていけないようにさえ思える時がある。 朝の渋滞。信号待ち。自動車専用道路を時速90キロで突っ走ることなど。 わたしの朝にはふさわしくないのだと思う。もしずっとそんな道ならば。 たとえ道端に野菊が咲いていたとしても。私は気づかずに行ってしまうだろう。
だから。ほんとうにありがたい道だと思っている。
気分が。本日も良好でなにより。どうかどうかこのままそっと在りたいものだ。
|