なんだか夏が。忘れ物でもあったのかしらと思うくらいに汗ばむ陽気。
早朝からてんてこまいしていた。家族総出で。いとこ達も手伝いに来てくれる。 「おねえさん」と呼ばれたり。「おかあさん」と呼ばれたり「みかさん」とも呼ばれ。 段取りよく手際よくとはなかなかに思うようにはいかず。みんなに頼るばかり。
11時にはもう住職さんが来てくれて。仏間には座りきれないほどの親戚の人。 廊下や台所までひとで溢れる。慌ててエプロンをはずし一番最後に焼香をした。
お昼前から始まった宴会は。えんえんと続き。最後のお客さんが腰をあげたのは。 もう夕方近くになっていた。赤ら顔の上機嫌でみんな満足そうに帰ってくれたのが。 なによりも嬉しく思う。そしてもっと嬉しかったのが仏さんではなかったろうか。
25年の歳月は。ながいようでありながら。すこしも遠い昔には思えなかった。 あの日まだ三歳になったばかりの息子は。出棺の時に大声で泣き叫んだことを。 うっすらながら憶えていて。ひとの死というものを。もう抱いてくれないことを。
子供心に知ったのだった。
よちよちと歩き始めたばかりだったサチコは。お祖父ちゃんの記憶さえないけれど。 ずっと仏壇に手をあわせてはおっきくなった。「もったい」って小さな手をあわす。
そうして授かることのなんと貴重なことかと思う。優しさや思いやりや何よりも。 命の尊さを。お祖父ちゃんはしっかりと天から。子供達を見守ってくれたのだと。
感謝のきもちがいっぱいに溢れてきた今日という日だった。
おじいちゃん。ほんとにほんとにありがとう!
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