うす曇りの日。にわかにぽつりと雨も降る。 そして金木犀の花が咲いたのを知る。 ああどこだろうと見つけたくなるその匂い。 何度めの秋だろうか。それはなぜか。 懐かしくて。ふっと遠い日へと私をいざなう。
行ってみたい。でもそこはとても遠い。
仕事。いっぽんの電話の声にまた冷静でなくなる。 知りませんわかりません!とついつい声を荒げてしまう。 まくしたてる相手の声がまるで石つぶてのように痛くて。 もういいかげんにして下さい!とがちゃんと切ってしまった。
自分なんだけど自分だと認めたくなくて。いつだって葛藤している。 ひらたくてのほほんとしていたいのに。どうして石を投げるんだと。 ついつい恨んでしまう。頭に血がのぼって。まっさかさまに落ちていく。
落ちてしまえば。悔むばかりで。そうしてしまったものはしかたないと。 自分を宥めるばかりなのだが。とてもとても後味が悪いものなのだ・・。
いつもの大橋を渡って帰宅。むしょうに夕陽にあいたかった。夕陽は。 落ちるけれどいつだってそれは希望で。あした昇るのを誓ってくれる。
灰色の雲の隙間からでも。せいいっぱい微笑んでくれるのがありがたい。 どんな日もあるよって。どんな時もあるよって。心をなでなでしてくれる。
あたしはちっともかんぺきではない。
悟りくさいこと言って偉そうにしてるけど。
ちっともちっともかんぺきなんかじゃないんだ・・。
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