| 2006年09月24日(日) |
穏やかな風ふく午後に |
少しうす曇の空から。やわらかな陽がほろほろと降り注ぐ。 地区の小学校は運動会らしかったが。風向きのせいか音楽も聞こえず。 あのよういどんの時のピストルの音も聞こえなくて。嘘のように静かだった。
午後。近所でお葬式がありお悔やみに出掛ける。 ずっと看護士をされていた女性で。先ごろ退職してからは自宅でのんびりと。 お孫さんの相手をしたりして毎日を過ごしていたらしい。 急に激しい頭痛に襲われたのだそうだ。すぐさま異変を察したのであろう。 ご主人の運転で病院へ行ったらしい。でも診察ではどこも異常が見つからず。 とりあえず脳波を撮ることになり。しばらく待合室で待っていたのだそうだ。
日頃から明るい性格で。その時もご主人に冗談を言ったりして待っていたらしい。 でも。突然そこで倒れてしまい。そのまま意識不明になってしまったのだそうだ。
手を尽くしても尽くしきれず。とうとう亡くなってしまったのだった・・。
お孫さんの運動会をとても楽しみにしていたそうで。それが今日だったというのに。
読経に耳を傾けながら。次第に惹き込まれるように心が張り詰めてくるのだ。 いままさに引導を手渡そうとしているとき。なんぼか口惜しかろう。なんぼか。 未練が残るであろうと。和尚さんがゆっくりと語りかけるように悟し始めていた。
ええい!ええい!と声が高くなる。それはかつて聞いた事がないほど強い声で。 終いにお棺を思いっきり叩く音が響く。とても強い力で。これでもかこれでもかと。
そして和尚さんはガクっとなり。一瞬うなだれたように見えた。
そして振り向くと。「終りました」と皆に告げてくれたのだった。
肉親のひとたちはもちろん。参列者のあちらこちらからも啜り泣く声が聞こえる。
逝くことは。決してあっけないことではないのかもしれないと思った。 死を受け止めなければいけないということは。ものすごく過酷な試練なのだろう。
ひととして生を受け。それがほんとうに最後の最後の試練なんだと思った・・。
なにごともないはずはないというのに。
痛いほどに。穏やかな風が吹く午後のことだった。
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