| 2006年08月02日(水) |
おまえだけは連れていくぞ |
少し大気が不安定なのか。ときどき雲がたち込めてにわかに小粒の雨が降る。 ざわざわと山が動いているようだ。なんだかひたひたと何かが忍び寄って来る。 気配がして。問いただすように空を仰いでみたりするのだった。風が鳴いている。
そのほかにはなにもない。そうしてまるで気のせいだったかのように陽が光リだす。
山里は遍路道。夏休みのせいかずいぶんと若者の夏遍路さんに出会う。 まだ十代ではないかと思うほど。少年のようなあどけない顔のお遍路さん。 タオルで頭をきゅっとしばって。もくもくとただひたすら前へと進んで行く。
昨日は。ダム湖の橋のうえで。フォークギターを抱えたお遍路さんに会った。 すごく声をかけたかったんだ。追い越してしまって。待ち伏せしてみようか。 そう思ったのに。ああでもって。勇気をなくしてしまって遠ざかってしまった。
ちょっと悔みながら。でもなんだかすごく嬉しい気持ちでいっぱいになった。 ギター好きなんだな。だから一緒に歩いてる。重いだなんて感じたりはしない。 家を出る時。おまえだけは連れて行くぞって。きっと決めたんだなあって思った。
あたしは。そんな遍路道のことが。すごくすごく好きなんだ。
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