降り続くばかりだった雨がやっとやみ。 恋焦がれていたような青空に会えた日。
きらきらと眩しかった。チガヤは白茅と書く。 その白い穂に。光が一斉に降り注ぐのを見た。
夏が始っている。もう何度目の夏なのだろう。
またここにいてもいいのか。ここからつづく。
むこうへと。背中を押されるように私は歩く。

サチコがお休みだったので。一緒に買い物に行く。 買ってあげると言うのだ。遅れたけど母の日だよって。
ジーパンとTシャツを買ってもらった。 Tシャツは黒か紺。私が選ぶのはいつもそうで。 でもサチコが。「これにしなさい」と言ってくれて。 薄い水色のやつにした。背中に53と書いてあって。 なんだかその歳まで着れるかなって可笑しくなった。
買ってもらうっていうのは。すごくとても嬉しいものだ。
ありがとねサチコ。母さんは幸せでいっぱいだったよ。
それから。「にいちゃんとこ行ってみよーか」って言うので。 行ってみた。けれどふたりとも仕事らしく留守で残念だった。 駐車場から部屋の窓を見上げて。ちょっとかなりか切なくて。 若草色のカーテンが目に沁みるように。ほろほろと想うばかり。
変わりなく平穏な日々なのだ。これ以上の安堵はあるまいと思う。
わたしは。母だった・・・。
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