いまは藤の花盛り。薄紫や白藤や甘く香りて。 雨あがりの花姿は。雫色のうたかたのごとし。
みあげてはこころなごませ。
みあげてはわれひとりいく。
どうしてかざわざわと。心落ち着かずまま数日が過ぎた。 何かが悪さをしている。何かが棘のように心を刺しては。 まあよいではないかそんなことどうだってと思えないで。 苛立つのではなくして。やたらと気に障るのだ。それが。
わりきれない。なっとくできない。ひていばかりしていた。 いいのだよこれで。じゅうぶんなんだよってうなずきたい。
ひとと関わっていると。時々こんなふうに壊れてしまうらしい。 よかれと思ったことが。よくなくて。自分の不甲斐なさが痛い。
だからそれを。まあよいではないかと思えるようになりたいのだ。 あっさりと水に流せない。それがもっとも私が私を許せない理由。
午後。一円玉を88個提げて。独りミニ四国霊場へ行ってみた。 山つつじの咲く山道。蕨がおっきくなったような羊歯茂る道を。 ただひたすら八十八体の仏像に手を合わし続けてすすむすすむ。
うぐいすの声。ふもとのお寺の鐘の音。わたしの声わたしの息。
わたしもこうして生きていていいのだなと思えるようになる。
いつだってこんなふうに。まっさらになれるんだなって思う。
あのことにふりまわされて。あのことにがんじがらめだった。 ああでも。あのことがあったから。ここにたどりつけたのだ。
「ありがとうございました」
わたしの声を。こころいっぱい。あなたに捧げます。
|