はるいちばんは。春の嵐いちばんとなった。
昨夜遅くから降り始めた雨が激しく降り止まず。 大河の水も増水し。小川には泥のような水が流れる。
家業はお休みしようと。雨の音を聞きながら朝からのんびりと過ごしていたが。 少し小降りになり風も少し静まった頃。同業者の従兄弟から電話があった。
海苔の漁場が大変な事になっているという知らせだった。 とにかく見に行かねばと。彼と一緒にクルマを飛ばした。
ほんにまあ。なんてことでしょう。昨日からの高波のせいなのだろう。 海苔網を括り付けてある杭がことごとく抜けてしまい。網は波のよう。 やられてしまったか・・と。しばし茫然と立ち竦むありさまだった。
自然の恩恵を受けているありがたさ。しかし時にはこんな過酷な痛さもある。 ため息をつき嘆くこともするが。とにかく早く海苔を救ってあげなくては。
急いで準備をして。わたしたちは救出隊員一号と二号になっていた。 自分達だけではなかった。同業の仲間達みんなが必死で頑張っている。
よかった。なんとか海苔は無事でいてくれたのだ。 網は波に揉まれていても。海苔たちは千切れもせずしっかりと生きている。
水の中を右往左往しながら。杭を海苔網をやっと元通りにすることが出来た。 ほっと安堵しながら。一気に力が抜けていく。同時に清々しい達成感を味わう。
ほんとうにお疲れさんの一日だったけれど。なんだかすごく心地良く思えた。
わたしたちはほんとうに。この仕事を愛しているのにちがいない。
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