目覚めると雪が降っていた。
とうとう。従兄弟のお葬式に出席出来ずに。一日が終ろうとしている。 雪のせいにしてしまう。遠く離れた場所で。手を合わせ冥福を祈った。
弟から。たくさんのひとに見送られて旅立ったと聞く。少しほっとする。 「心配することないよ」と弟が宥めるように言ってくれて。救われる思い。
いつだったか読んだ本に書いてあったことを思い出した。 誰の何という本だったのか。今はよく憶えていないのだけど。
自分が死んだ時。その葬儀の場面を目に浮かべてみなさい。 そうすれば。どれだけ自分が愛されていたかが。きっとわかる。 だからこそ。命ある限り。まわりのひとを愛して生きていきなさい。 思い遣り感謝して。縁あったこそ出会った大切な人達ばかりです。
その言葉に出会ってから。幾度か。それはとても数え切れないくらい。 わたしは私のお葬式を見て来たように思う。紫のりんどうの花がいっぱい。 わたしはお棺の中にいて。頬に花を髪に花をかざして微笑んでいるのだった。
みんなが声を掛けてくれる。家族はもちろん。大切な人たちがみんな。 わたしは。とても心強くて。わたしはとても幸せで。すごく安らいでいた。
たとえば不慮の事故。たとえば闘病の末。もしくはある朝突然に息が止まり。 そして恵まれたなら長寿を全うしたその時に。わたしはきっと死ぬのだ。
不安があるとすれば。それがいったい何時なのかわからないことだ。 明日かもしれないし。まだ40年先かもしれないのだから。
だからこそ。精一杯生きて。みんなを愛したいと思う。
死んでからのありがとうじゃなく。生きてありがとう。
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