| 2005年12月04日(日) |
あたたかなたくさんのことに。心からありがとう。 |
もうすっかり冬。午後からずっと時雨れている。 南国とはいえ。山間部では雪が降り続いているらしい。
ひゅるひゅると風の声。そんな声も遠く感じるほどに。 とても穏やかなこころで。静かな夜を過ごせるありがたさ。
不思議とあの朝のことを懐かしく思える。もう36年なのか。 ずっとあの出来事を悪夢のように。感じながら生きてきたのか。 なんて愚かだったのだろう。ずっとあの日の少女を忘れられずに。
土曜日の母は。どうしても仕事をしたいと言って。やっと今日。 髪をきれいにしてもらい。すっきりと気持ち良くなってくれたらしく。 近くまで来ているから「お茶でも飲まない?」と電話をしてくれた。 弟夫婦も用事があって。遠方からはるばる来ているから一緒にねと。
私はすごく照れていた。素直に「うん」と言えないくらい照れていた。 今思えば後悔になるのだが。あれこれ理由をつけて。ありがとうだけで。 会いに行かなかった。でもそんな後悔より以上に。満たされた心が残る。
それからしばらくして。思いがけず弟たちが訪ねて来てくれた。 「ちょっと、あんずの顔見たかったから」とか言って。 我が家の愛犬は。弟の家で生まれた仔犬だったから。
ながいこと会っていないから。もとの飼い主のことなど忘れているだろうと。 思ったのだけど。弟があんずに声をかけて撫でていると。すぐに甘えだして。 弟の手をペロペロ舐めていた。それはとても微笑ましい光景だった。
ほんのつかの間。庭先で立ち話をしただけで帰らなくてはいけなくて。 私がちゃんと出掛けて行けば。ゆっくり会えて話しも出来たろうに・・。
あんずと一緒に見送る。そしたら運転席に座った弟が。思い出したふりで。 「あっ・・姉ちゃん、今日誕生日やね」と言ってくれたのだ。
姉ちゃんは。またまた大いに照れまくり。ほろりと胸が熱くなってしまう。
あの朝。弟の手をひいて。ふたりは泣くことも出来ずに歩いた。 いったい何が起こったのか。目の前が真っ暗で何も見えなかったけれど。
とにかく歩いた。そんな寒い冬の朝さえも。今はとても懐かしい思い出。
あたたかなたくさんのことにほっこりとつつまれた。
きょうほど。ありがたいいちにちはなかった。
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