| 2005年11月27日(日) |
悲しみの色に薄くルージュを |
ひゅるひゅると少し冷たい風。ああ。もう冬なのに違いない。 陽だまりをさがしている猫の。ような気持ちになる冬らしさ。
午後。先日から気掛かりでならなかったある女性に会いに行く。 ご主人を亡くされたばかりで。どんなにか気を落とされていることか。 お葬式にも参列出来なかったことを詫びて。お供にと和菓子を心ばかり。
彼女は化粧品店を営んでいる。もう何十年も。いつも明るい看板娘のように。 「自分への投資を忘れたらいかんよね」とか言ってくれて。ついつい買って。 私もかれこれ25年以上も。ずっとそのお店の常連さんになっていたのだった。
ぽつんと彼女は座っていた。カウンターのところで俯いて。なんだかまるくて。 自動ドアが開くのがもどかしいくらいに。私は駆け込むように飛び込んで行った。 「おーい、おーい」と声を掛ける。「はーい、はーい」と立ち上がった彼女は。 胸が熱くなるくらい健気で。悲しみの色に薄くルージュを塗った姿のようだった。
とにかく日常を。お店に出ていつものように笑顔で。それだけで救われるそうだ。 「めし、めし」って。お昼になるとお客さんが居てもそう言って急かすご主人が。
いない。いなくて。すごく寂しいよって言って・・・・。
私は。買いだめをしないことに決めた。もう少しでなくなるものは。 なくなってから買いに来るからと約束をした。そうしたらたくさん会える。
今日はじめて彼女の年齢を聞いてとても驚く。それは感動と同じくらいに。 79歳なのだそうだ。私はずっと自分の母親くらいで60代かなと思っていた。
漠然と思う。私はこれから。もっともっと彼女に会わなければいけない。
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