峠道の途中。ちいさな集落があるところの道端に。 銀杏の木があって。それが昨日よりも今日と誇らしげに。 朝陽を浴びてきらきらと光っているのが。とても好きなのだ。
もう何度。その一部始終をみせてもらったことか。 黄金色になって。その向こう側の空の青さに。胸がきゅんとして。 ある朝から少しずつ散り始めるせつなさを。私は知っているのだ。
めぐるめぐる。ともに生きる。あと何度会えるのか。私は知らない。
昨夜。どしゃぶりの雨の中。少しの憂鬱を連れて例のバドクラブヘ行った。 実は最近とても。雨と夜と対向車のヘッドライトが怖くてたまらない。 どうやら視界が狭くなってきたようなのだ。わずか15分なのにとても辛い。
無事に着いたとほっとしたのもつかの間。またひとりで準備にかかる。 なあにいつものことだからと思う。そのうち誰か来てくれるからと思う。 よかった。いつも二番目に来てくれる人がすぐに来てくれてほっとする。
だけど。携帯で話しながらだった。それがなかなか終りそうになかった。 いけない。いけないと思いながら。少しだけ苛々してしまう。 当てつけ。今思えばそうなのだが。無理して重いポールを二本提げて頑張る。 心の中は。いいもん。別にいいもん。手伝ってもらわなくてもいいもん。
ポールのネジを緩めて調整している時だった。ガチャンっと継目の所が。 落ちてきて。急いで手を退けたつもりが。うっかり親指を挟んでしまった。
かくかくしかじか。親指に小指がくっついたくらい腫れて紫になる。 しばし激痛。なんだか悔しかった。けれどそれがすぐに後悔に変る。
当てつけみたいなことしたから。バチが当たったんだと思う。
ラケットが握れなかった。みんなと一緒に何も出来なかった。
そして帰る時。そのひとだけが。「指、早く治して下さいね」と言って。 頭を下げて言ってくれたのだ。ほんとうに申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
ごめんね。ごめんねといっぱい謝る。
ワタシハモット。ハンセイシナケレバナラナイと思う。
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