子猫は『みぃと』と呼ぶことにした。
三毛猫かなと思っていたけど。きじ猫の雄らしい。 足のところだけ白くて。靴下をはいているように見える。 可愛らしさは言うまでもないが。とても人懐っこくて。
どこかの家で生まれたけれど。貰い手がいなくて困ったのだろうか。 息子くんの職場は老人福祉施設なので。ここならって思ったのかな。 捨てられたというより。どうかよろしくお願いしますって感じがする。
猫嫌いの彼は。相変わらずご機嫌が悪い。 鳴き声が聞こえただけで。すごく嫌がって。 子猫を見ようともしない。「可愛いのは子猫の時だけだ!」とか言って。
とにかく早く貰い手を捜すようにと厳しく言われてしまう。
今日は。子猫と一緒に仕事に行った。 「お母さんがお仕事しているあいだおとなしくしててね」と言ったら。 お昼休みまでずっとクルマの中で。いい子にしていてくれたのだ。
お昼ご飯を食べさせてから。庭で少しだけ遊んであげたら。 陽だまりでごろんごろんしたり。てくてく探検したりして。 すごく気持ち良さそうで。嬉しそうな顔をしていたから。 お母さんもすごくすごく嬉しかったよ。
そうして午後も。ずっとクルマの中でおとなしくしていてくれた。 帰る時には甘えていっぱい鳴いたけれど。「お家へ帰ろうね」って 声をかけながら家路についた。そしたら鳴き声がちょっと変った。 みゃあみゃあ叫んでいたのが。みぃみぃって。か弱くて愛くるしくて。
お母さんね。みぃとを。手放すことなんて絶対に出来そうにないよ。
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