しばらくのあいだ。子猫を預かることになった。 いつまでなのかわからない。飼ってくれる人が見つかるまで。
息子くんが。仕事を終えて帰ろうとしたら。 クルマの下の方で。みぃみぃ鳴き声が聞こえて。 ダンボール箱の中にちっちゃな猫が入っていたそうだ。
そのままどこかへ置いとけばいいのにだとか。 俺は猫が大嫌いだとか。父親がすごく怒っているのだけど。
きっとなんとかするからと息子くんが言って。 私もサチコも。なんとかなるよお父さんと言って。
子猫は息子の部屋ですやすやと眠り始めた。 すごくお腹が空いていたのか。晩ご飯をがつがつ食べて。 それから。箱から出して欲しいのか。甘えて鳴いていたけれど。
たくさん話しかけて。あれこれ宥めていると。 私の言っていることに。頷くような仕草をしたのだ。 サチコが「今、うんってしたよね」って喜ぶ。 そうして観念したようにおとなしくなった子猫。
もう手離せないな・・と思っている。 可愛いという理由だけでは。猫は飼えないと知っている。
どうしてそれが息子のクルマの下だったのかと思うと。 他の人のクルマの下ではいけない理由があるのだろうと思う。
それが。動物と人間のあいだにもある『縁』なのではないだろうか。
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