急ぎ足の夕暮れ。風がもう肌寒くなる。 ゆらゆらと。すすきの穂が。みな一斉にどこかを。 見つめている姿は。静寂の一部分であるかのごとく。 ふと淋しさをおぼえるものだ。終るのではなくして。 夜がはじまる。淋しいと思う心が。さびしさの正体。
夕食後の食器洗いをしていると。彼が茶の間で。 ようし!ようし!と独り言を言いながら手を叩いている。 阪神の優勝が今夜決まるのだそうだ。とても嬉しそうだ。 わたしはかれがうれしそうだとうれしい。 いつからなのか。ずっとさいきんそうかんじるようになった。
8時からセカチュウだぞってやたらすすめてくれるので。 茶の間じゃない部屋でひとり見ようかなと思う。
だから。ココロノスイッチはオフ。
さびしさなんて。どこにもないじゃないかと思う。
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