ひきつづきの蒸し暑さ。空はぼんやり。風は熱っぽくちょっと悪戯。
職場のやまももの実が食べ頃になり。今日はたくさんお客さんが来てくれる。 毎年楽しみにしてくれている人がいてくれるのが。ほんとうに嬉しい限りだ。 となり町の居酒屋さんのご主人。それから和菓子屋さんのご主人も大喜びで。 宝物のような笑顔。今年が見納めだとは思いたくないから。来年もきっとね。
夕暮れて。めったに鳴らない家の電話がめずらしく鳴って。 夫君の同僚からだった。携帯に何度かけても出てくれないとか言う。 なんだかすごく話したくないふうだったから。気になってしょうがない。
送別会をしてくれると言うのを。ずっと断り続けていたらしい。 だから皆がよけいに気遣ってくれて。かわるがわる電話してくれていたらしい。 あんまり鳴るから。携帯の着信を無視し続けていたと言うのだ。
ちょっといじけている彼。どうして自分ひとりがリストラなんだと。 すごく悔しがっている彼。なだめてなだめて。やっと落ち着いたところ。 だけど、どんなにか情けない思いに苛まれていることだろうと。 思うと苦しかった。「大丈夫!なんとかなるよ」って言いながら不安ばかり。
これくらいのことを不幸に思わず。これがあるから前に進めるとしよう。 もう炎天下で作業しなくてもいいよ。この夏は今までの疲れを癒そうよね。 身体がくたくただったんだ。もう限界だったんだから。これでよかったよ。
ほらほら。いつまでいじけてるの。男でしょ。しゃきっとしなさい。
彼は。やっと同僚の言葉に素直に頷いてくれた。 親身になって最後まで気遣ってくれるお仲間に。心から感謝したいと思う。
ほんとうにありがとうございます。
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