アガパンサスの花が咲き始めて。それは紫陽花の色のようでもあり。 ちいさな花がたくさん集まって。ひとつの花の姿になるのも似ている。
川向の国道沿いに花ばかりの『良心市』があって。 良心市ってわかるかな?無人のお店でお金を入れる貯金箱みたいなのが。 備え付けてあるから。欲しいのがあればそこにお金を入れて買うのだけど。
そこは。春だなあって思う頃から開店して秋の終わりごろまである。 一番最初は青い麦なのだ。それからだんだん花盛りになるのがならわし。 マーガレットだった頃が終わり。今はアガパンサスの頃になった。
今朝のこと。少し早目に家を出て寄り道。朝一番に採られたらしいのを買う。 すくっとした茎と可憐な薄紫がなんともいえない。清々しい感じの花束だった。 5本で百円。ほんとにこれだけでいいのかなと良心が咎められるような値段。
職場に着き事務所に活ける。つぼみがたくさんだからこれからが楽しみだ。 なによりも。出勤してきたオババが歓声をあげて喜んでくれたのが嬉しかった。
仕事は順調。なんだか嘘みたいにすべてがまるくおさまっているよう。 諦めてはいけなかったのだと思う。成るように成っているのが今だから。
帰宅して。ポストに冊子小包が。その筆跡をみただけで誰からかわかる。 『コイノカオリ』という本を届けてくれた。ページの中に手紙もあった。
しばらく音沙汰がなかったから。もしやと気にかけていたとうりのことが。 なんだすごく寂しく不安になるようなことが書かれてあった・・。
病気で「もうながくは生きられないかもしれない」と。 ただそれは心が弱っているからだと続けてあった。
生かさねばと思う。なんとしても生きてもらおうと思う。 恩返しがしたい。まだまだひとつもそれをせずに甘えてばかりいたから。
そして自分を恥じた。思い過ごしでも自分の命を儚く感じたことを。 明日死ぬわけにはいかないのだ。そんなことは決して許しはしない。
気が湧き立つように流れ始める。ぐるぐるではなく。さらさらと。 なんだか自分は川のよう。ならば大切な友は。きっと海なのだろう。
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