やまももの実が日ごとに紅く色づくこの頃。 甘酸っぱくて。食べるときりりっとした顔になる。 ひとも鳥も待っている食べ頃は。今週末くらいかなと思う。
私は。食べるのよりその実だくさんを眺めているのが好きで。 わあわあ言いながら実を採っている人を見ているのが好きだ。
なにげなく目にする夏が。今年ほど愛しく思えることがなく。 ついつい思い過ぎてしまうのは。今年が最後の夏かもしれん。 いやいやまさか。まだ30回くらいはあるだろうと思い直す。 おかしなもんだ。年を重ねると。とてつもなく儚さを感じる。
だから当然と言っていいのか。みんなみんな愛しいものだから。 儚さを抱きしめては。ぎゅっとして抱きしめてばかりの日々だ。
10代の頃。二度、死のうとしたことがあったが。 ほんとうに死にたかったのか。いま思えばあまりにも遠い記憶となった。 自ら命をなくしても。そこからは何も生まれない・・そんなふうに思う。
そうして。こんなにながいこと。もっともっとながくなるかもしれず。 少し枯れたかなと思う身体は。土にしがみつくように生きようとして。 時には花みたいな笑顔をふりまいては。光をあびていい気持ちになって。
実をつけたり種をつくったりしながら。生きた証を残そうとしている。
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