月から雫が落ちてきそうな夜。たとえほんのひとしずくであろうと。 いま見上げたひとみんなの手のひらに。その涙ほどの希望がひとつ。
この一週間。ただならぬ痛みに耐えていた。 右腕が自由にならず。上げようとすると激痛がしたりして。 とても情けない有り様で。年のせいかと思うとちょっと悲しかった。
日に日に痛くなり月曜に病院へ行ったところ。 レントゲン写真の肩の付け根に何やら怪しい黒いもやもやが見つかる。 自分の骨って。そんな時でも面白くて。ふむふむと真剣に眺めてしまう。
「腫瘍かもしれないから」ってお医者さまが言うので。 なぬ?って焦りながら。ついついまた可笑しくなった。 とことん悪くしてくれるじゃんとか思いながら。実はちょっと怖くなる。 そうか、そうか、ならば抉り取って貰おうじゃないかと開き直る気持ち。
水曜日におっきな病院へ行って。MRI検査つうのを初体験した。 それがやたらと緊張しまくり。なんなんだ!この衝撃音は!ずんどこ煩い。 生きているけど死んだみたいに。三途の川で殴られているみたいだった。 もう二度とごめんだ。あんな音なんか絶対に聞きたくない。
そして今朝。その結果を聞きに行く。悪いのなら好きにしてくれと思いながら。 自分の肩の骨をいっぱい見せてもらう。ひとコマずつ連続の愛着があるものだ。
「原因は年ですね」って決して言わないお医者さまは優しくてとても好き。 黒いもやもやは確かにあるけれど、自然に消えるでしょうと言われた。 「無理せず労わってあげなさい」って。単なる肩の疲労らしいのだ・・。
ほっとする。肩の力が抜けるってこんな時なのに違いない。 同時に気も抜ける。すごくいきり立っていたようなそれもお終いとなった。
それからがとても不思議。時間が経つにつれて痛みが薄れていった。 おそるおそる腕をあげてみたら。ちょっと不恰好だけどバンザイが出来た。
ささやかな戒めだったのかもしれない。誕生日を迎えたばかりだったし。 身の程を知りなさいと教えられたのかもしれない・・。
気持ちとカラダがとてもアンバランスなのだろう。 まだまだこれからだ!と思いながら。もうそろそろだよと教えられた。
出来ることを精一杯やりたい気持ち。でも出来ないことは素直に認めたい。 出来ててもしんどいんだよって気付きたい。その時は焦らずにいよう。
休めばまた。続けられるだろう。無理せずゆっくりしようじゃないか。
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