無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2001年10月29日(月) 「ばびゅーん」の語源は『宇宙少年ソラン』から/『黒鉄 <KUROGANE>』5巻(冬目景)

オタアミ当日まであと26日! 26日しかないのだ!

 さて、「物語」はまず昨晩のことに遡る。
 一日中、べしゃべしゃ、ばちゃばちゃ、じゃわらじゃわらと振り続く雨に、すっかり鬱陶しい気分、マンガ読んでても何となく溜息が、ホウ、と口からツイ漏れる。
 ニュースの解説で、気象士さんとやらが「ちょうど気候のサイクルができてますからねー、一週間毎に休日は雨になるんですよ、はっはっは」なんてお気楽なことを言ってくれている。
 台風でも来ないことにはこのサイクル、なかなか崩れないそうだ。
 ああ、また明日は雨ん中、合羽来て自転車で、汗にまみれながら山越えかあ、なんて考えてたら、憂鬱がそのまま顔に現れたのか、しげが私の顔を何か妙に期待感に満ちた目でじっ、と見つめてくる。
 「何だよ、その目は」
 「明日、職場まで送って行こうか?」
 そう言うしげの目はウルウルと潤んでいる。抑えちゃいるが唇は今にも笑い出しそうだ。
 「……ああ、頼めるんなら、お願いしようか?」
 「……いいと? ホントに?!」
 自分で頼んでおきながら、私が承諾したら驚くってのがよくわからんが、タクシー使うよりおカネがかからないのは間違いのないことなので、断る理由はない。
 まあ、あれだけ「お前の運転する車の助手席になんか乗れるか!」と悪態ついてたからなあ。でも、しげの保証人になっちゃった以上は、しげに事故を起こしてもらっちゃ困るのである。
 私は「ナイフは危険だからナイフは持たせない」みたいなサルでアホでスットコドッコイな考え方はしない。危険の全くない道具なんて、あるはずがない。自ら得た技術をいかに活用するか、それを考え、使いこなしていくことを常日頃考えておかなければ、突発的な事故等に適切に対処することはできまい。
 ウデの上達は練習あるのみである。
 「なんだ、私の練習のためか」
 なんだ、ってこたぁないんだがな。
 冗談ではなく、私は本気で車ってやつが嫌いである。
 なのに「一緒にドライブでもするか?」なんて声かけてることの意味、少しは気付いてもらいたいもんなんだけど。

 で、今朝になって、7時半にウチを出るはずが、しげはやっぱり、ぐごがげごぴー、と寝ているのであった。
 いや、起こして出かけたけどさ。
 ほったらかして先に出かけてもまたしげにヒス起こさせる原因にしかならないし。

 しげがいろいろ悪戦苦闘したのか、車内の匂い、随分薄くなっている。
 ほんのりシトラスの香りが残っているが、鼻につくほどではない。
 自分たちの車に乗ってみるまでは、たいして意識もしてなかったことだが、ここ数日の車中体験で、世間の車持ちが、自分の車をただの乗り物としてだけでなく、生活環境の一環にしようって気持ちになるのもわかる気がしてきた。
 かと言ってしげみたく「ロドリゲス」なんて名前つける気にはなれんけど。

 乗り込んだ途端、『ブルース・ブラザース2000』のサントラが鳴り出すが、さすがに朝っぱらからだと頭に響いて不快だ。ナビもしなきゃならないのに気が散ってしかたがないので、音を消させる。
 「広くてわかりやすい道行くね〜」
 と言って、しげから地図を手渡される。
 「この道を通って、右折して左折するから、ナビして」
 「わかった。この道を通って、右折して左折だな?」
 で、この道を通って、右折、まではよかったが。
 「あ、そこを左」
 「え? 通れないよ!」
 「……通れないって?……あ、通りすぎちゃってどうするんだよ!」
 「だって、車が向こうから来てたんだもん。次の角を曲がるよ」
 「……まあ、遠回りになるけど仕方ないか……はい、そこ、左」
 「え?! 右じゃないの?!」
 「……さっき、左に曲がり損ねたんだろうがあ!」
 「だから、今度は右に……」
 「右見てみろ! そっちは山ん中だろうが!」
 「山に入れば、さすがに道を間違えたって自分でもわかるし」
 「迷うためにわざわざ間違った道選ぶなあ!」
 ……遅刻せずに職場に辿りつけたのは奇跡のような気がする(ーー;)。 

 送ってもらったことはありがたいのだが、となると当然帰りも迎えに来てもらわなくてはならない。
 「んじゃ、5時20分に来てもらえるかね」
 「いいけど、ちゃんと来る?」
 「いきなリ仕事が入ることがあるからな〜。念のため、待つ間読む本でも持ってきといて」
 で、しげはそのまま買い物へ。迷ったわりには早目に着いたので、仕事に取りかかるのも早い。一週間の始まりとしてはなかなか気分がいい。
 それにしても、ふと気づいたのだが、送り迎えなんて、幼稚園の年少組以来のことなのだ。
 ……おいおい、40年近くも前かよ(+_+)。つい昨日のことみたいに思い出せるってのに、大学紛争華やかなりしころって、もう歴史のかなたじゃねーか。
 昔、いっぺんだけだけど、親が私を迎えに来るの忘れて、幼稚園にずっとほっぽらかされたことがあったんだよなあ。あのとき、ウチの親は、自分たちに子供がいるということ自体、完全に忘れていたのである。
 フツー、あるかよ、そんなこと(ーー;)。
 それ以来、私は親子の縁はプッツリ切れたものと思っているが、親の方じゃそうは思ってないんだろうな。お目出度い話だ。


 まあ、悪い予想というものは当たるもので、残業する予定はなかったのに、会議が長引いて、しげと合流したのが6時20分。ちょうど1時間の遅れだ。
 しげは「私を置いて先に帰ったかと思ったよ」と半べそ。
 悪かったので、今日の晩飯は奢ってやることにする。

 そろそろ最初に入れてもらったガソリンがなくなるということなので、初めてガソリンスタンドに寄る。
 「レギュラーってのを買えばいいんだって」
 そんなこと言われても、私は車の知識は皆無に等しいので、レギュラーとハイオクがどう違うかも知らないのだ。普通、レギュラーの対義語はイレギュラーとかスペシャルとかじゃないのか。
 ともかく、しげは初めてスタンドに寄れて嬉しいらしい。
 若葉マークがついてるおかげか、スタンドのおっちゃんも対応がとても丁寧である。
 「……私が初めてだってことばれたかな?」
 なんだか誤解を招きそうなセリフだったんで一瞬戸惑ったが、本人は気付いてないらしい(^_^;)。
 いや、そんなん若葉マークもついてるんだし、見て一発でバレバレだって。


 車なので、少しは足を伸ばせるかと、普段あまり行かない「庄屋」で食事。
 私は和食の膳ものを頼んでしげはステーキ丼。ステーキが韓国風だったのか随分辛かったみたいで、結局、私のオカズをしげに分けて、半分ほどしげのを食べてやる。
 ゆっくり、落ちついて食べていたかったが、しげはこのあと仕事もあるので、コンビニで飲み物だけ買って帰る。
 実際、こうやって送り迎えしてもらうと、一緒に過ごせる時間がそれだけ多くなるわけで、最近すれ違いの多くなってることを考えると悪くはない。まあ、ちょっと命の心配がなきにしもあらずだけれど。
 そんなことをチラッと口にしたら、しげは「一緒に死ねるからいいね」みたいなことを言った。
 だから、最初から死ぬ覚悟で運転するなよって(-_-;)。
 それとスピード出すとき、「ばびゅーん」って擬音使うのやめろ。マジで怖いから。


 米がうまく炊けなかった理由が判明。
 しげが炊飯器の釜のウラを調べてみて、そこに塩胡椒の袋が挟まっていたのを見つけたのだ。これのせいで釜がちょっと浮いた状態になってたらしい。
 早速しげが米を炊いたのだが味は上々。
 これで、炊飯器を新しく買わずにすんだ。
 ……でも、なんだってそんなところに塩胡椒が挟まってたんだ?

 カレー粉がまだ一箱だけ余っていたので、晩飯はカレー。
 何日前に買ったのか忘れた野菜を、腐る前にさっさと片付けちまおうと、冷蔵庫の奥からイモだの人参だのを引っ張り出す。
 ところが、一番奥の方にしまいこんでおいたせいか、殆ど凍りついていた(ウチの冷蔵庫は調整がムズカシイのだ)。
 まあ、凍ってたんだから、悪くなっちゃいないとは思うが、皮を剥くのにえらいこと時間がかかったのであった。


 マンガ、冬目景『黒鉄 <KUROGANE>』5巻(講談社・530円)。
 4巻から随分間が空いたなあ。連載が断続的なのかな?
 絵柄というか、作画の技術も初期に比べて相当上がっている。
 何より、迅鉄の等身が伸びているのがはっきり判る。……成長してるのか?
 特にストーリー上の大きな展開があるわけでもなく、往年の『木枯し紋次郎』みたいな定型的な股旅物になっちゃってるが、そうなると迅鉄が半人半機械であることの意味合いが、だんだん薄らいでいるキライにあるのが気になる。
 事実、今巻の話で、迅鉄が普通の人間であって困ることなどまるでないのだ。
 『羊のうた』もそうだが、冬目さん、キャラクターや世界観を作るのはうまいのだが、それをストーリー上でうまく動かしきれないところが結構あると思うのである。ただの風来坊に主人公を位置付けるのでなく、何か迅鉄自身の出自に絡むような物語を作っていかないと、この先連載を続けて行くのは苦しくなって行くんじゃないのか。

2000年10月29日(日) まあスクルドがかわいかったからいいか/アニメ『ああっ女神さまっ 劇場版』ほか


2001年10月28日(日) 至福の休日/アニメ『サイボーグ009』第3回『閃光の暗殺者』/『碁娘伝』(諸星大二郎)ほか

オタアミ当日まであと27日! 27日しかないのだ!

 朝、目が覚めるとちょうど7時。
 わあ、やった、今日は『パワーパフガールズ』に間にあったぞ♪
 やはり日曜の朝は『パワパフ』で開けるのが望ましい。

 今日は第43回『バック・トゥ・1959(GET BACK JOJO)』
 タイトル通り、SFアニメには定番のタイムパラドックスもの。
 っつーか、SFアニメだったのか、パワパフ。
 ユートニウム博士が発明したタイムマシーンを使って、過去の博士を消せばガールズも誕生しないと考えたモジョ・ジョジョが、タイムスリップした先は1959年。ってことはユートニウム博士、40歳過ぎてるの!? アニメのキャラクターって、ホントにトシがわかんないねー。このころの博士が、科学に全く興味がなくて、混ぜちゃいけない薬品を混ぜて爆発させたり、といった設定が楽しい。……でもちょっと待って、博士と一緒にいる女の子は、キーン先生?! それはウソだ! いくら何でもウソだ! あの、あの素敵なキーン先生が40代だなんて……!
 これは多分設定のミスなんだろうなあ。1959年ってのが間違いか、でなけりゃ今パワパフのいる時代が実は1980年ごろなのであろう。
 落ちは予想通り、パワパフに助けられた博士が、パワパフを生み出すために科学者になることを決意した、ということなんだけど、そうなると「パワパフは偶然生まれた」っていうOPのナレーションは間違いなのか?
 ま、そんな細かいこと突っ込む必要のないアニメなんだけどさ。

 いつもならこのあと、『ガオ』見たり(感想書いてないけど一応見ちゃいるのだ)、『アギト』見たりするんだが、まだ睡眠が足りないのか(昨日昼寝もしたのに)ぐたっと寝こむ。
 また起きたら、ちょうど9時半、『コメットさん☆』(タイトルに星が付くのだね。ホントは)の時間であった。

 『コメットさん☆』第31回、『マネビトさんがいっぱい』。
 新OP『ミラクルスター』もそろそろ歌えそうだ(だから歌ってどうする)。
 先週、先々週と見逃しているが、パパとケースケはまだ外国に行ったっきりらしい。
 パパがいなくて、ママも風邪で寝込んで……って、今週は病気ネタ多いなあ。
 コメットさんはママの代わりをつとめようとするけれど、ツヨシくんネネちゃんの送り迎えから、食事の支度、お店番、ママの看病と大忙しでもうクタクタ。
 ここでメテオさんの登場!
 コメットさんの代わりに店番、お掃除を始めるけれど、一人じゃとてもできないからと、分身、分身。
 ああ、『ドラえもん』にもこういうネタがあったなあ。
 「アナタ、床掃除なさい」
 「何言ってらっしゃるの? アナタがなさいよ」
 「私は管理者よ、床掃除なんて仕事、どうしてしなければならーないの!?」
 いやー、一杯いてもやっぱりメテオさんはメテオさんだ♪
 「ああ、もう、こんなにいて、ど〜してみんな役立たずなの?!」
 もちろん、このあとムークに突っ込み入れられるのですが、私はメテオさんは全く役立たずだとは思ってないので、突っ込みの内容は書きません。
 まあ、バレバレですが(^^)。
 でもこの大騒動のおかげで、雑貨屋は見物客で大繁盛、メテオさんはコメットさん以上に大活躍したのでありました。と言うわけで、今週のメテオさんもとっても素敵だったのです! 店の受付やってるときのメテオさんの作り笑いが、かわいいけど、マンガ家のSUEZENさんの女の子キャラにそっくりなのがちょっと気になるけど。
 ……もう、この毎週の『コメットさん』の感想、完全に「メテオさんレビュー」になっちゃいました。


 しげが練習にでかけたあと、昼寝を挟みながら(^^)、昨日買ったマンガを片っ端から読む。休日はやっぱりマンガ三昧がいいね。

 マンガ、石ノ森章太郎原作・村枝賢一漫画『仮面ライダーSPIRITS』2巻(講談社・550円)。
 前間に引き続き、今巻は「ライダーマン」「X」「アマゾン」編。
 テレビシリーズの方もここまで来ると話そのものに随分ムリが生じてきていたころだし、今までと同じような調子でリアルには書けないんじゃないかと思ってたけど、さにあらず。
 1号、2号、V3に比べてマイナーな彼らだからこそ、村枝さんがより力を入れて描こうという姿勢が、1巻と同レベルか、それ以上にアツク、劇的な世界を作り上げている。
 特に、ライダーマンの結城丈二、歴代ライダーの中では人間に一番近く、多分一番弱いのだが、テレビではダサク見えたあの顔半分が見えるデザインが、マンガでは逆に表情を与えられて、ライダーのストイシズムの中に潜むパッションを、「静」の上半分と「動」の下半分で、見事に表現している。
 しかもそのことを、あとがきインタビューで、結城丈二を演じた故・山口暁氏の娘さん、山口貴子さんがちゃんと証言してくれているのだ。おう、ライダーマンのスピリッツはちゃんと次世代にまで受け継がれているぞ! 血は水より濃いのだなあ。これはもう、感涙ものである。
 次巻で『ストロンガー』、第一期ライダーシリーズのキャラクターは出揃うわけだが、さてこのシリーズ何巻まで続くものなのか。スケールがどんどん行くなってるから、10巻程度じゃ終わりそうにないのだけれど、何年だって付き合うから、2、30巻くらい行ってほしいなあ。もしかしたら、原作マンガより、旧テレビシリーズよりもアツイ物語になるかもしれないし。


 マンガ、爲我井徹原作・相良直哉漫画『KaNa』4巻(完結/ワニブックス・945円)。
 ……え? これで終わり?
 もう、実にハッキリとした打ち切り。カナと「七つの頭」との争い、全く決着が付かないまま、カナがバビロニアに旅立ってちゃんちゃん、って何なんだよう。
 「バベルの塔」ってのが何なのかも語られずじまいじゃないのさあ。
 原作者のあとがき、全く事情に触れてないんで分らないんだが、掲載誌がつぶれたわけじゃないよな、「COMICガム」。
 人気がないわけじゃないと思うんだけど、ホントにどんな事情があったんだろう、気になるよう。


 マンガ、和田慎二『ピグマリオ』4巻(メディアファクトリー・819円)。
 全12巻予定ってことは、ようやく1/3か。
 それでもリニューアル版で月1冊の刊行だからペースは速い。時間をそう待たずに読めるのは、和田さんの場合は特にありがたい。……だって、話に深みがないから間を置くと中味をさらっと忘れちゃうんだもの。
 いや、これは必ずしも「貶し」ではないぞ。読み捨てられる他愛もないマンガがゴマンとあってこそ、マンガ文化の裾野は広がっていくものだからだ。
 でも、だからと言って折り返しに「SF・ファンタジー・サスペンスなどのジャンルでマンガ界に大きな軌跡を残し続ける、屈指のストーリーテラー」っ書くのはやめようよ。そんな大層なこと思ってるの、和田慎二本人だけだって。


 マンガ、『超少女明日香 式神編』1巻(メディアファクトリー・580円)。
 和田慎二2本立てかい(^_^;)。
 しかも新シリーズは陰陽師の子孫の話と来た。『KaNa』もそうだったけど、いくら何でも最近安倍晴明ネタが多過ぎやしないか。ちょっとマンガ家の発想の貧困さを見る思いがするのである。
 いやもう、感想はそれだけ。


 マンガ、諸星大二郎『碁娘伝(ごじょうでん)』(潮出版社・880円)。
 諸星さん十八番の古代中国ものだが、主人公を「碁を打つ美貌の女殺し屋」という設定にしたことが何よりの勝因。
 ヒロインは言わば中国の「必殺仕事人」で、弱きを助け強きを挫く、情に厚いがひとたび碁石と剣を握れば冷徹な殺し屋と化す。そのキャラクター造型だけでも充分魅力的なのに、衆人環視の碁の試合の中で、いかにしてターゲットを殺すか、その不可能を可能にしていくアイデアも実に見事。
 「お見せしましょう、これが翅鳥剣!」
 うわあ、かっこいい!
 碁の「輜重」と、剣の「翅鳥」がシンクロした瞬間は、思わず背筋に戦慄が走ったよ。マンガ読んでてこういう経験することって滅多にないんだよなあ。いや、堪能させて頂きました(^^*)。
 尋常な完成度じゃないな、と思ってたら、諸星さん、この一冊の単行本を描き上げるのに、16年かけているのである。……馬琴か(・・;)。
 それにしても、最近は囲碁マンガの傑作が多いなあ。
 『ヒカ碁』とこの『碁娘伝』と、竹本健治の『入神』(南雲堂)の三作は、囲碁ファンならずとも必読。ぜひお読みいただきたい。


 しげ、今日はいつもより遅れて帰ってくる。
 今日は練習に見学者の女性も来てたはずだが、「どんな人?」と聞いても「髪が黄色い」としか返事しない。
 いや、そんなことが外見的なコトが聞きたいわけじゃなくて、芝居にどの程度興味があるのかとか、練習に参加してみる気があるのかとか、そういうナカミのことが聞きたいのだ。人との関わり方を知らない人間が、人の心を引きこむ芝居なんてできっこないんだから、もちっと人間を観察する術を身につけていってもらわないと、困るよホント。

 しげから「映画に行く?」と誘われるが、雨が降り出しているのと、昼間寝転がっていたらまた咳が出始めたので、大事を取って中止。
 しげはつまんなそうに「ちぇっ」と舌打ちしているが、病み上がりの夫を気遣うくらいのことはしてくれよ。
 それに映画に行くとどうしても会話が少なくなるぞ。家にいたほうが気軽に喋れるから、文句をつけることじゃないと思うがなあ。


 アニメ、『サイボーグ009』第3回『閃光の暗殺者』。
 前回作画が思いっきりレベルダウンしていたものが、今話ではまあ見られる程度に回復。
 ああ、よかった。何しろ今回は、ついに今までアニメ化されたことがなかった0010初登場の回だからだ(一応劇場版『怪獣戦争』に同モチーフのサイボーグが登場したけど、デザインがまるで違う)。
 加速装置を持った者同士のサイボーグの対決が、ヘタレた作画じゃサマにならないものなあ。
 バンクがやたらと使われてたのは気になるけど、この程度のレベルで持続して行ってくれるなら、文句はない。
 002が先走って0010に挑むエピソードなど、実は原作にはないんだけれど、いかにもそんなことしそうなキャラクターとして描いているので、全く違和感がない。脚本家たちが、キャラクターたちを自家薬籠中のものにしている証拠だ。
 ただちょっと気になるのは、009たちは石森さんの後期の、シリアスなキャラでデザインされてるんだけど、0010は初期のマンガチックなまま。ちょっとそのギャップが……(^_^;)。
 いや、後期のデザインなんてないんだからしかたないけど、もう少し顔に工夫ができなかったのかなあ。声が頼りない声を出させたら天下一品の二又一成さんってのは、所詮は鉄砲玉だった0010の運命を暗示しているようでいいキャスティングだ。
 コズミ博士はデザインも原作のままでいいけれど、声も滝口順平さんと、めっちゃゼイタク。声優さんにも惜しみなく予算かけてるよなあ。
 ……はっ。もしかしたらブラックゴーストの声は納谷悟朗さんになるのでわ!? 

 今晩もしげと買い物に出かけようかと話していたのに、9時にはしげは完全に熟睡してしまった。なんだ、しげも疲れてたんじゃないか。映画には出かけないで正解だったな。
 結局、どこにも出かけないまま私も寝る。ああ、でもゼイタクかもしれないけど、あと一日、休みがほしいなあ。

2000年10月28日(土) AIQってボランティアだったのね/CGアニメ『バグズ・ライフ』


2001年10月27日(土) どこまで行くのかな、クラリス……天神まで行きました(-_-;)/DVD『STACY』ほか

オタアミ当日まであと28日! 28日しかないのだ!

 先週は法事だったし、先々週は休日出勤だったし、残業は多いし、ようやく休みが来たなあ、という感じの連休。
 ともかく更新の遅れてる日記をメモに基づいて、やっさ(←博多弁)書いてるわけだけれど、一日二日経つともう記憶が曖昧で、特にメシに何を食ったかというのはきれいサッパリ忘れている。
 これを書いてるのは日曜の夜なのだが、昨日の今日だぞ、いくらボケるにしても早過ぎやしないかと、一生懸命、脳を攪拌して、そうだそうだ、昨日はロールキャベツを作ったんだったとやっと思い出した。
 最近、炊飯器の調子が悪くて、磨ぎがあまく、3合以上炊くと、苦くて食えなくなっちまうのだ。
 そのことはしげにもちゃんと言っといたのに、私に輪をかけて記憶力がない(多分こいつの脳に海馬はなくて、海牛か海豚か海ミドリムシか海コノドントがあるのだ)しげが4合も炊いたものだから、くさいメシが釜一杯にあふれてしまっている。
 これをどう処理したらいいものやらと、ともかく「おじや」にでもするしかないと、とんこつとコンソメスープをベースにポン酢で味を整えて、ロールキャベツを茹でてメシにぶっ掛けて食ったわけである。
 あ、意外と美味い(^^*)。
 なのにしげは一口も食べようともしない。
 自分の失敗のあと始末もできないんだから、心底、性根が腐っているのである。
 

 最近、買うばかりで全然見れていないDVDを、少しでも消化しようと、待望の(^^)『STACY』を見る。
 原作のオーケン、特別出演した上にメイキング映像でコメントしてるが、これが大笑い。
 「まあ、十年くらいあとでカルト映画として評価してもらえたら嬉しいかな」
 絶対ヒットしないってちゃんとわかってるじゃないの(^^)。
 ううむ、しかしこれだけどう評価したらいいか迷っちゃう映画もないなあ。それは別に加藤夏季が出ているから貶したくないというばかりではなく(^_^;)、完成度とか、全体的にはクソ映画と言ったっていいのだけれど、捨て難いところが結構あるんだよねえ。
 ステーシーのメイクや撮り方がチープだとか、いらない登場人物が多過ぎて整理されてないとか、筒井康隆と内田春菊の演技の下手さ加減はなんなんだとか、それは突っ込んでいいものなのやら。
 15歳から17歳の少女たちが突然ゾンビ(ステーシー)化していくのはなぜか、なんて理由を描写したって仕方がないということはわかる。それはただの象徴に過ぎないから。これは「美少女アニメ」だの「特撮」だの、その年頃の少女たちに幻想を抱き、救いを求めなければ心が癒されないでいる哀れなオタクたちへの痛烈な皮肉であるし、愛でもあるのだ。
 まあ、わかりやすく言えばステーシーたちは巨大アヤナミなわけですよ。包まれたいし食われたいと言う(^^)。実際、累々と横たわる死体の中に少女が白く浮かび上がるっていう劇場版『エヴァ』みたいなシーンもちゃんとあるし。
 でもだからこそ、この映画はもっとリリカルに描けたはずだと思うのだ。別にスプラッタ描写を抑えろと言いたいのではない。ゲチョゲチョ、グログロ、ヌトヌトだってそれを美しく感じさせる演出ってのはあるのだ。と言うか、そのグッチョングッチョンを美しく見せられないで何が映画か。映画の才能が監督にない、それが一番の問題点だ。
 だいたい、これはハイビジョンには向かない題材だよ。
 なぜフィルムで撮らなかったんだよ。これは絶対に「なつかしい」映画にしなければならないと言うのに(かと言って大林宣彦に撮らせると『いつか見たドラキュラ』になっちゃうけどな)。
 尾美としのりや蛍雪次朗が随所でいい演技してるだけに、もっと面白い映画にできたはずだと、もったいなくてもったいなくて。
 何より、腹が立つのは、主演、加藤夏季ぃぃぃぃ?
 ゲストやん!
 登場シーン、多分筒井康隆より少ないぞ!
 それは加藤夏季がこの物語を影で牽引する「天使」みたいな役だからしようがないとして、カメラ、もっとカットを割らんかい! 漫然と撮るだけじゃこの少女の神秘性は描けないぞ!
 この少女には現実感を感じさせてはならんのだ。
 超ロングか、アップか、どちらか一方、中途半端な撮り方をしちゃいけない。「よく見せない」ことで、そのイミを観客に感じさせねばならないのだ。
 つまり『ゴジラ(1954年版)』のように加藤夏季を撮らねばならないのだ!
 これだから中途半端な特撮オタクに映画撮らせるとよう。
 (T^T)(^T )(T )( )( T)( T^)(T^T)


 昼は疲れ切っていたのが夜近くまでぐっすり昼寝。
 カラダは休まったが、何もしないで一日が過ぎるというのももったいないので、買い損ねているマンガを買いに、車でキャナルシティの福家書店へ。
 文庫も含めて十冊ほど買いこんで、ウェンディーズで晩メシ。
 ここまでは何の問題もなかった。
 行きのしげの運転も順調だったし。

 「初心者」の恐怖を私が味わうのはこれからである。

 自宅からキャナルまでは、車ならおそらく二十分ほどの距離である。自転車でだって、30分で余裕で着く。
 キャナルを出たのが6時30分。まあ、7時にはウチに帰りつくであろうと考えるのが自然なところだ。
 誤算の一つは、車だと、キャナルから道に出ること自体、時間がかかるということだった。5、6、7、8階の駐車場の車が、一斉に1ヶ所の出口から出ようってんだから、これは時間がかかる。ようやく道に出たのは7時10分前。……20分もかかるかよ。
 私は夜だと全く夜目が利かないので、助手席に座っていてもナビはできない。
 「一方通行とか、そういう標識全然わかんないから、どっちに曲がればいいか、地図で確認しといてくれよ」
 「うん、わかった」
 しげは、地図を見て確認して、堂々と言った。
 「道に出たら左へ曲がるよ」
 ……このとき、私は不安を感じるべきだった。
 行きは右の方からこの駐車場に入ってきたのだ。ならば右に戻るのがスジと言うものである。しかし、地図で確かめてまで間違いをしでかすとは普通、思えない。
 「いったん左に行って右に曲がるから」というしげのセリフを素直に私は信じてしまったのだ。相手はしげだと言うのに。
 予定通り左に曲がって、中洲の手前まで出て、しげが言った。
 「あれ? 右に曲がれない」
 道路の上の矢印が右を向いていない。このまま進めば、天神に向かうことになる。
 「しょうがない、いったん天神まで出よう」
 「ちょっと待て、なぜ天神まで出なきゃならん? 中洲の中を通って逆戻りすればいいじゃん」
 「でも中刷って一方通行多いから道わかんないし。まっすぐ行って左に曲がるよ」
 わかんないも何も、目の前を車が中洲に何台も入って行ってるのだ。それが見えないのか。
 そう言ってもハンドル握ってるのはしげだし、どうにもできる状況ではない。そのまましげは直進しようとするが、あっと言う間に渋滞に巻き込まれる。こうなると右へも左へも行けない。
 「おまえ、左に曲がりたいって言っときながら、どうして左車線に行かないんだよ。これじゃもう、信号のところで中洲の方に向かうしかないだろ」
 「……わかった、あんたの言うことを信用しよう」
 「信用しようって、いつも自転車で通ってるときに車がどう動いてるか見てるだろ!?」
 結局中洲を通りすぎ、明治通まで出て、さらに大博通りまで戻って、ようやく博多駅の方へ向かった。
 この間、30分。最初右に曲がってりゃ1分の距離をこれだけかけやがった。さすがは若葉マーク。っつーか、しげ以外の誰にこんなバカなマネができよう。
 「だって、この道行けばいいのかなって思ってるときには通りすぎてるんだもん」
 教習所、なんでこんなやつに免許取らせた。何か間違ってないか。
 帰宅は結局8時。20分の距離に一時間半か。やっぱりこれはしょっちゅう練習させないと危なっかしくってしかたがない。
 ……結局、また私の仕事が一つ増えたってことなのかよう(T∇T)。
 私の心労をヨソに、くそしげは言うのであった。
 「今日は天神まで行けたね♪」


 夜中にどこぞの民放で『マネーの虎』というのをやっている。
 お金持ちの社長に、一般視聴者が応募して、事業のための出資をしてもらおう、という番組らしい。
 なんかSMの女王様とかいうのが、「女性のための焼き鳥屋を開きたいから、3500万円くれ」とか言っている。
 「今、SMの店やってるんでェ、月200万ほど金が入るんだけどォ、すぐ店を開きたいからァ、3500万円出してほしくってェ」
 私はSMびとに偏見はないが、こういうバカは捻って潰したくなるので、居並ぶ社長さんたち、出資したりするんだろうかと見ていたら、案の定、誰一人お金を出さなかった。
 だいたい、なんでSMから焼き鳥屋なんだか、言ってることがわかんねーよ。この番組、表向きは「何かをしようとする人たちのために援助を」とか言ってるが、その実はマトモに努力して働かずに出資金出してもらおうとするバカを晒し者にして笑うための番組なのだろうな。

2000年10月27日(金) 頼むから一日12時間も寝るのは止めて/映画『少年』ほか



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藤原敬之(ふじわら・けいし)