西日が差したら枇杷の実を食べよう
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2002年02月17日(日) やっぱり、こういうの、好きだなぁ。『デトロイトロックシティ』

みたい、みたいと思いつつ、なかなか機会がなかったこの映画。
少し前、風邪でぼーっと休んでいるときに、たまたまWOWOWでやっていたので、
真っ昼間から、リアルタイムで、ソファーに寝転びながら優雅にみてしまった。

面白かったなぁ。
好き好き大好き、アメリカのバカ高校生もの。
私自身も、高校生の頃、彼らみたいに、キッスが大好きだったんで、
感情移入もバッチリさ!だし。

この映画、舞台は1970年代。
ロックバンドのキッスが、大好きで大好きでたまらない、
4人の高校生の男の子たちが、数ある障害をくぐりぬけ、
無事にライブ会場である、デトロイトにたどりつけるか!?っていう、
単純ちゃ、単純な物語なんだけど、これが意外と飽きさせないのよ。

キッスなんて嫌い。バカ高校生にも興味ない、って人には
つまんない、飴玉ムーヴィーかもしれないけれど、
わたしは、ドキドキ、ワクワク、本気で応援しちゃったもんね。
彼らが、ステージの上のキッスに会えますようにって。

この映画、商業的にはエドワード・ファーロングが主演ぽく、
フューチャーされている印象だけれど、実は、
4人組がまとめて主役って感じで、
4人の男の子たちが基本的に平等に描かれているんだよね。
それぞれの家庭的な背景とか、
エピソードがきちんと伝わるように、キャラクター設定されているし。

主役が高校生なだけに、当然、ママやパパたちも、
脇役キャラクターとして登場してくるのだけれど、
面白いなぁと思ったのが、そんな、ママやパパたちの描き方。
70年代が舞台だけに、とってもシンプルというか、単純。
一言でいえば、「ものわかりの悪い、10代の敵」ってな感じの親。

最近のアメリカ映画によく出てくる、コドモと同じ目線で、
一見、「ものわかりがよさそう」なんだけれど、
陰で娘の友達に恋しちゃうような ←『アメリカンビューティー』、
息子の友達、襲っちゃうような ←『ハピネス』、
あやういというか、あぶない、傷つきやすいガラスの中年じゃないのね。

この映画、キャラクターがコミック風にデフォルメされているので、
上記のようなアメリカ映画と単純に比較するのは違うとは思うけれど、
あの頃は、コドモはコドモ、親は親ってな感じで、
二つの世代の間に、目に見えない大きな壁があったんだなぁと、
しみじみ、考えてしまいましたわ。
現代の10代とその親って、
聴く音楽も、着る洋服も似ているし、あまり壁みたいなものを感じないから。

でも、その一方で、
こんな風な「ものわかりのよさ」というか、「壁の無さ」って、
実は「子供が大人になる」というプロセスにとっては、
マイナスの要因なのかもしれないなぁ・・・なんてことを、
ふと思ってしまったり。
だってある意味、オトナになりきれていない親って、かなりキケンでしょう?

といいつつ、わたし自身も、この映画をみた後、
すぐチープトリックの『サレンダー』のライブヴァージョン買いに、
CD屋に走った、全然、オトナになりきれてない、バカ親なんだけどね。とほほ。


otozie |MAIL