2005年03月14日(月) |
ロング・エンゲージメント |
原作 セバスチャン・ジャプリゾ『長い日曜日』 監督 ジャン=ピエール・ジュネ 出演 オドレイ・トトゥ/ギャスパー・ウリエル/
AMCイクスピアリ
『アメリ』のチームが再び集結ということでロマンティックな恋愛物語を想像していたら見事に裏切られる。 フランスの田舎町はセピアがかった美しい風景。相変わらずのジュネの美的感覚で溢れているけれども、冒頭の陰鬱で湿った戦場の風景は『デリカテッセン』の世界よ再びといった色のトーン。 戦地に赴いた恋人との再会までの物語・・・ などと簡単に言ってしまえば、それはまるで一昔前の少女漫画みたいだけれども、この物語の半分は戦場が舞台で、しかもまるで一頃のベトナム戦争顔負けのリアルな描写である。爆撃で吹き飛ぶ砂や人間。 そしてむしろ物語はミステリー色が濃い。絡み合った人間関係。 しかしながらユーモアもあったり。 そんなこんな色々と詰め込まれた作品でちょっと疲れた。 期待してたギャスパー・ウリエルの出番はそれほど多くなかった。 そしてフランス人俳優達に混じって何故かジョディ・フォスターが出演してた。 あ、ドニ・ラヴァンも出てたよ。
全てにおいてよく出来た作品です。
でもなんだか私の心にはあまり残るものがない。
2005年03月11日(金) |
ビヨンドTHEシー 〜夢見るように歌えば〜 |
製作・脚本・監督・主演 ケヴィン・スペイシー 出演 ケイト・ボスワース/ジョン・グッドマン/ボブ・ホスキンス/ブレンダ・ブレッシン/キャロライン・アーロン/ピーター・シンコッティ/ウィリアム・ウルリッチ
シネ・スィッチ銀座
ボビー・ダーリンの「ビヨンド・ザ・シー」という曲を知ったのはダニー・ボイル監督作品『普通じゃない』のサントラ盤だった。ボビー・ダーリンという歌手については何も知らなかったけれどもとても素敵な曲でずっと大好きな曲だった。 先日もDJイベントでこの曲をかけた時に反応があった。 やっと観た『普通じゃない』の劇中でも素敵な使われ方をしていた。 この曲はとても魅力に溢れた曲なんだなぁ。 そしてこの曲の魅力はそのままボビー・ダーリンという人の魅力に繋がるのかもしれない。
少し変わった構成なので最初若干とまどうけれども、それがケヴィン・スペイシーがボビー・ダーリンを演じることの不自然さを上手くカバーすることになっている。 ボビーの歌とダンスを全て吹替え無しで演じきってるのも凄いことだと思うけれども脚本家、映画監督としても素晴らしい仕事をしてます。 「大好きなボビー・ダーリンが再評価されるように」 ケヴィンの思惑は大成功だと思う。 もっともっとボビー・ダーリンについて知りたくなったし、本物のボビーの歌声を聴きたくなった。
ボビーのような素晴らしい歌手が埋もれてしまったのはやはり生まれ落ちた時代のタイミングが悪かったのかしらねぇ?60年代から70年代の時代の変化はボビーだけではなく沢山の人々を戸惑わせただろうに。 でもこうして残した歌声が時代と海を越えて沢山の人々を感動させることができるなんて。
やはりケヴィンの言う通り、ボビー・ダーリンは今もスィングし続けているんだな。 CD買おうっと。
監督 ダニー・ボイル 出演 ユアン・マクレガー、キャメロン・ディアス
ビデオ
CD屋のワゴンセールで安かったので買ってみました。 BECKやASHのシングル曲が収録されてるサントラは持ってたんだけど。 "トレイン・スポッティングのダニー・ボイル、ハリウッド進出作品!"って何ですか、これ!?思いっきりUKテイストな作品ですね。しまいにゃユアンにキルトスカートはかせてスコットランドに行ってますけども。 ユアンのダメっぷりが良いですね。ダメ演技が上手過ぎて着てる服がグッチにはさっぱり見えませんし。ダメ男好きにはたまらんですよ。 キャメロン・ディアスは歌がものすっごい下手でビックリした。 だっさいユアンといけてるキャメロンのコントラストがハッキリしてて面白い。並んだ図はもう本当にバランス悪いんだけど(特に頭の大きさがー・・・ユアン顔デカー!)なんでしょうね、デュエットのシーンとか銀行強盗のシーンとか何かこうわけわかんないけどもときめくんですわ!カーッ!!!
あとホリー・ハンターがヤバイ。これって『ピアノ・レッスン』の後だよな?よくこんな役やったなぁ。ちょっと尊敬。
2005年03月05日(土) |
フレンチなしあわせのみつけ方 |
監督・脚本・主演 イヴァン・アタル 出演 シャルロット・ゲンズブール/ジョニー・デップ
イクスピアリの”シーズン・オブ・ロマンス”というバレンタイン〜ホワイトデーの企画イベントでの再上映でした。カップルで観に行くには色々と気まずい気持ちになったりしないかしらん? 何組かの夫婦が登場してそれぞれの抱えた問題、それぞれの愛の形が描写されていく。特にクローズアップして描かれているのが実生活でも夫婦のイヴァン&シャルロット演じる夫婦。この夫婦の間に持ち上がった問題の答えは曖昧なまま映画は終わる。
私が以前聞きかじったことにはフランス人は”結婚”という制度にとても慎重であるということ。事実上夫婦関係であっても婚姻届を出しているカップルは多くはないらしいということ。自由恋愛を楽しむイメージのあるフランス人らしい話だと思ったが、この作品を観て、成程その分結婚という制度に関してはかなり堅い真面目な考えを持っていることがわかる。それは宗教観に基づくものだとは思うけれども、現代日本人の結婚観よりフランス人のそれの方がより重たそうだ。
恋愛→結婚ではあっても結婚生活と恋愛は必ずしもイコールではない。 この作品の英題は「…and they lived happy ever after」 でもまぁきっと夫婦生活がうまくいってる人は笑いとばせる作品かもしれないな。私は色々と考えさせられるところが多かった。
お話とは関係ないが、シャルロットのスタイリングが素敵だった。 キャメルのロングコートは日本人が着ると大抵やぼったくなるもんなのにスラリとした人が着るとこんなにも素敵なものなのか。あと化粧直しのシーンで使ってるパクトが(多分)ポール&ジョーでした。 イヴァン・アタルは顔でかいけどセクシーだ。 素敵な夫婦ですこと! 夫婦揃って夜遊びって憧れるなー
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