監督 市川準 出演 イッセー尾方、宮沢りえ
ユーロスペース
あまり映画の匂いのしない映画作品だった。 村上春樹の作品、しかも短編をどのように映画作品として撮るのだろうかと思っていたら、やっぱりこういう正攻法でない方法なのかぁって少しがっかりというか何と言うか・・・最後の原作に無い部分もまるで「これは原作とは別物だと思ってくださいね」って言い訳してるみたいに感じたよ。 演出的にもちょっと舞台みたいだった。撮影は同じ場所でセットを組みかえて撮ってたらしいし、カメラの横移動による場面転換とか、ナレーションを役者に言わせたりとか映画的に観ればちょっと斬新で変わった演出かもしれないけど、単純に"舞台的"な演出だなって感じ。俳優も舞台俳優だしね。 なんていうか舞台的なだけに奥行きが感じられなかった。
私は村上春樹の作品は凄くスタイリッシュでドライで乾いた風であるけれども実は凄く一文一文に奥行きがあるところが好きなので、なんとなくこの市川準の演出方法は好きじゃない。 でも衣装部屋の場面はいいと思った。 画面も綺麗でよかった。 それと何といっても宮沢りえの美しいこと、美しいこと。
もう最近の日本映画の"ちょっと変わった演出"みたいなのうんざり。 変わったことしなくたって面白い映画は面白いんじゃねぇのか? つか映画に限らずさもうなんでもさ、普通でいいじゃーんって思うんだけど。
2005年02月17日(木) |
モーターサイクル・ダイアリーズ |
監督 ウォルター・サレス 出演 ガエル・ガルシア・ベルナル、ロドリゴ・デ・ラ・セルナ
恵比寿ガーデンシネマ
若き日のチェ・ゲバラがラテン・アメリカを旅する物語
そう聞いてなんとなく観る前に身構えていた。 延々と続く広大な自然の描写や、難しい顔をした役者、固いセリフ等をイメージしてしまったから。 実際は音楽とユーモアに溢れた作品だった。勿論面白いだけではないけれど。 ぜんそく持ちで読書好きな恋する学生が、沢山の人と関わりながら旅を続けていくうちにいつの間にかチェ・ゲバラの顔になっていく。ガエル・ガルシア・ベルナルが素晴らしい。
旅に出る勇気があればなぁ。 若い人が観るべき作品だと思う。
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