2003年12月20日(土) |
10ミニッツ・オールダー 人生のメビウス |
監督 アキ・カウリスマキ、ビクトル・エリセ、ヴェルナー・ヘルツォーク、ジム・ジャームッシュ、ヴィム・ヴェンダース、スパイク・リー、チェン・カイコー
恵比寿ガーデン・シネマ
物凄く幸せに満腹気分になれた作品。 コンセプトもさることながら、それぞれが期待に応える作品を撮ってます。 なによりも各々が自分のカラーを何のてらいも無く出してきてるのがいいですね。
どの作品も甲乙つけ難いけれども 私が一番好きなのはビクトル・エリセの「ライフライン」。 エリセの作品は初めて観たのですが噂に違わない美しい静謐なものでした。 こういうのに弱いんですわー。 DVD出たらエリセの10分のためだけけに買ってもいいな。
ジャームッシュも相変わらずでやっぱり好き。 彼の撮るモノクロームな画面は寂しさが漂っていていいな。 クロエの佇まいが物凄くマッチしてたんで短篇といわず まるまる一本クロエで撮ってくれないかなぁ。 この作品の番外長編みたいなの。
スパイク・リーのスピード感、リズム感も彼にしか出せないもので格好いい。 凄くクレバーなんだよな。10分間であのテンポ。編集能力がすごい。 まさにHIP-HOPのライムだな。 新作の『25時』も観たいなぁ。
それとヴェンダースの作中に流れてたeelsの曲かっこよかった。 全体を通してのテーマ曲も素敵。
「イデアの森」にはあのゴダールも参加してるので是非とも観たいんだけど 観にいけるかなぁ。
プロデュース、監督、脚本、撮影、編集、美術、ヘアメイク、衣装 主演(バド・クレイ) ヴィンセント・ギャロ 出演(デイジー・レモン) クロエ・セヴィニー
渋谷シネマ・ライズ
今まで観た映画の中で一番悲しい作品かもしれない。 でも『ポーラX』や『ダンサー・イン・ザ・ダーク』みたいな 観後の嫌なモヤモヤ感は無くて
あのバド・クレイが砂漠でひたすらバイクを走らせる風景が 心の中にただただ余韻として残っている。 あの場面は本当に美しい。
正直いって『バッファロー'66』は面白かったけど 世間が言うほど乗れなかった。 エキセントリックで斬新な演出がちともてはやされすぎてやしなかと思ってた。 (でもそんな中にかいま見れるギャロのかわいらしさが好きなんだけど。) この『ブラウン・バニー』の演出は退屈にさせる程のギャロの偏執っぷりが全開で惚れ直しました。 今までは 「ギャロなんて日本のサブカル人種がいかにも好みそうな輩だよね」くらいに思ってたのに これを観てすごく好きになった。 (そもそも私がこの映画を観に行ったのはクロエが観たかったからだもの)
ここまで自分の美意識を信じて表現できる人ってなかなかいないよなぁ
そういえば、ほとんどのギャロファンを退屈させたと思われる フジロックでのステージは今思い返せばこの作品とよく似ていた気がする。
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